2025年9月24日 NEWS DAILY CONTENTS

ニューヨーク流「断捨離」術 キズありでもリサイクル、捨てない生き方

ニューヨークの生活で「断捨離」しようとすると、不思議なことにごみとして捨てるものはあまりない。ミレニアルとZ世代が多く住むブルックリンとクイーンズから、彼らの「捨てない」生活をリポートする。


平日もにぎわう古着店、アザーズ・ピープルズ・クロースは、ブルックリン、クイーンズからマンハッタンにも店舗を拡大した(24日、クイーンズ / Photo: Keiko Tsuyama)

まず、ほつれや穴がある衣類、ジッパーがちょっとおかしいバッグやスーツケース、色褪せた本など「キズ」ものは、アパート前の歩道に出す。あっという間に拾っていく人がいるため、人出がある週末は歩道に子ども服やおもちゃなども目立つ。

古いシーツやピローケース、タオル、テーブルクロスも捨てないで。近所の動物クリニックに寄付すると、入院するペットのケージに敷く布類として使う。寄付できるか電話してから洗濯して持ち込もう。

次に状態はグッドだが、古着屋で売れそうにない衣類や家具、ガラクタは、スリフトショップに寄付する。たいていヒスパニック系が経営しており、1、2ドルでも彼らの収入になればと持ち込むと、とても喜ぶ。最近は、Labubuなども店頭で目立つ。

スーツケースやごみ箱、食器まで、売れるものは何でも売っているスリフトショップ(23日、クイーンズ / photo: Keiko Tsuyama)

ファストファッションやアンティークものは私の場合、ブルックリン・ブッシュウィックなどに3店舗展開する古着屋Other People’s Clothesなどで売る。ID(注:パスポートはNG)と連絡先を登録すると、店員が1点ずつ点検し、買い取るものの販売価格を決める。販売価格の50%相当の金額をプラスチックのカードに貯めて店内のものを買うか、30%を即座にキャッシュでもらうかを選べる。売れ残ったものは、店に寄付するか、帰り道に歩道のフェンスに引っ掛けておけばいい。

最後にブランド品や貴金属、多少思い入れがある服などは、MercariやPoshmarkなどのアプリで売る。Poshmarkは、スタイリッシュな人たちが使っているようで、多少高めの価格を設定しても売れる。Karrotは、ご近所限定アプリで、自宅か指定場所に買い手が取りに来てくれるため、発送の面倒がない。食器など壊れやすい物も安心して売れる。タダで誰かにあげたいというものも出品できる。

ゴールドやダイヤモンド、高級時計であれば、5番街47丁目のダイヤモンドディストリクトに行って何軒か周り、いちばん高く査定してくれた店で売ればいい。場合によっては100ドル以上も違うため、何軒か回るのは必須だ。

宝石や高級時計などの貴金属は5番街・47丁目のダイヤモンド街に持って行こう(23日、マンハッタン /  photo: Keiko Tsuyama)

もちろん、寄付したり売ったりする前に、友人が好きそうなものは、プレゼントする。衣類だけでなく、念のために「これ要る?」と聞くと、おそばのざるや和紙のお財布、お酒の升といった不思議なアイテムが引き取られていく。日本の小物は人気が高いので、もちろんアプリで売ってもよし。

歩道に置くものは、私が住むクイーンズ、ブルックリンでは、移民が多数いるのでキズものでもすぐになくなる。しかし、お金持ちが多いマンハッタンでは無理。その場合はスリフトショップへ寄付しよう。逆にマンハッタンの歩道にあるものは、掘り出し物が多い。アンティークなランプや家具、昔ながらのガラスのドアノブなどオンラインで売れそうなものさえある。

キズありと思う古本やおもちゃ、子ども服は、歩道に置くと必ず拾う人がいる(23日、クイーンズ /  photo: Keiko Tsuyama)

歩道にある衣類やぬいぐるみを拾う場合は、ベッドバグ(南京虫)がいる可能性に注意しよう。どうしても欲しければ、レジ袋に入れて固く閉じて帰宅し、洗濯して少し長めにドライヤーにかけるといいらしい。

取材・文/津山恵子

                       
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