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マンハッタンのフラットアイアン地区に昨年、アルコール類を提供しない会員制クラブ「The Maze(43 W. 24 St.)」が誕生した。お酒は飲まなくてもパーティーを楽しみたい人々に向けた、新しい形の社交空間として注目を集めている。ニューヨークタイムズが8日、伝えた。

重厚な木材や大理石を用いた華やかな内装の同店では、酒類の提供は一切なく、来場者にも飲酒をしないことが求められる。年間会費は3300ドル(初回入会金は別途1500ドル)。会員は約130人で、依存症からの回復者や長年断酒を続けている人も含まれるが、運営側によると、会員の中心は完全な断酒者よりも”断酒に興味を持つ人々”だという。
健康管理や仕事、スポーツといった目的のため、一定期間アルコールから距離を置く人も少なくない。アルコール中心の社交文化に違和感を覚える若年層にとって、「飲まなくても成立する社交の場」は新たな選択肢となっている。
こうした動きの背景には、若い世代における飲酒習慣の変化がある。ギャロップの最新調査によれば、18〜34歳で定期的に飲酒する人の割合は、過去の世代と比べて顕著に減少している。ウェルネス志向やメンタルヘルスへの関心の高まりが、その一因とみられる。
この流れを加速させているのが、SNSで影響力を持つ断酒系インフルエンサーの存在だ。断酒を禁欲的な行為としてではなく、ファッションや自己実現と結びつけて発信している。アルコール中毒者更生会(AA)への参加に心理的抵抗を感じる人々にとって、こうした発信は断酒への心理的ハードルを下げる役割を果たしている。
「飲まないこと」は、もはや我慢や例外ではない。ニューヨークの夜から始まったこの変化は、パーティーのあり方そのものを書き換えつつある。
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