2026年1月27日 COLUMN 山田順の「週刊 未来地図」

山田順の「週刊:未来地図」2026年はビッグイベントイヤー どうなる高市内閣、トランプ政権、世界と日本?(上)

 来たるべき2026年を展望してみたい。まず言えるのは、スポーツのビッグイベントが目白押しということ。2月に冬季五輪、3月にWBC、6月にサッカーW杯がある。
 スポーツのビッグイベントがある年は経済がいいというが、日本も、世界も見通しはあまりよくない。とくに日本は、高市内閣の政策に大きな不安がある。中国は消費不況から脱せられず、日中対立は長引きそうだ。アメリカは建国250年を迎えるが、大統領がトランプだけにどうなるか予測不能。中間選挙次第だろう。
 ウクライナ戦争は5年目を迎え、世界の紛争は収まる気配はない。そんななか、温暖化による気候変動だけが確実に進んでいく。

ロングバケーション、たるみきった国会議員

 では、1月から順に2026年を展望していきたい。予想ではない。あくまで展望である。
 すでに報じられているが、通常国会は1月23日に開会されることになっている。先の臨時国会は、12月17日に閉会したから、議員たちは、なんと1カ月以上のロングバケーションを謳歌している。
 世界も日本も激動しているというのに、議員たちは地元に帰り、挨拶回り、地域イベント参加、支持者との親睦(宴会か?)などに勤しんでいる。はっきり言って、緊張感ゼロ。たるみきった議員生活である。
 これでは、まっとうな政治が行われるわけがない。
 先の臨時国会では、自民・維新が合意した「議員定数の削減」、野党要求の裏金問題の核心「企業・団体献金規制」などの重要議案はみな先送りされ、結局、補正予算によるバラマキだけが決まった。これでは、国民生活は上向かない。「国民窮乏、議員安泰」の日本が今年も続いていくだけだ。

またも過去最大の「責任なき」積極財政予算

 1月23日に始まる通常国会(会期150日)の最初の重要課題は、2026年度予算の審議・成立である。すでに高市内閣は、122.3兆円規模の予算案を閣議決定している。
 その内容は、社会保障関係費に39.1兆円、防衛力整備計画の対象経費として8.8兆円、地方交付税交付金は20.9兆円などで、2025年度の115兆1978億円を大幅に上回り、過去最大になっている。
 そのため、新規国債の発行額も29.6兆円と予算額の4分の1に相当するという“放漫バラマキ”財政である。「責任ある積極財政」というのは、インフレによるハリボテに過ぎない。無責任極まりない。
 片山財務相 は、「デフレをほぼ脱してインフレ基調になっているときに、予算が去年より減ることは普通ない。過去最大となるのは当たり前だ」と言ったが、インフレで増えた分は実体のあるものではない。見せかけの増大だ。
 こんな放漫予算を組んでいたら、市場は必ず反発する。すでに、円安は進み、長期金利は上昇し、財政は危険水域に入っている。

 
高支持率で遠のいたとされる「解散総選挙」

 高市内閣は、異常な高支持率を叩き出している。中国に対する強硬姿勢が、高市応援団ばかりか、保守層、若者層に受けている。12月21日に公表された読売新聞の世論調査では、なんと73%と10月の内閣発足以降最高を更新した。
 驚くのは、バラマキに過ぎない補正予算の支持率が61%にも達していることだ。多くの国民は、どんな政権だろうと、政治判断を丸投げし、なにも考えようとはしないのか。
 高支持率と維新との連立で、当初、早い時期にあるとされていた「解散総選挙」は遠のいた。高市首相本人は、なるべく早い時期、4月に予定されているトランプ訪中の前に、ワシントン詣でを切望して調整に入っている。「台湾有事発言」へのトランプのサポートを取り付けるためだ。しかし、それができるだろうか?
 いずれにしても、訪米が決まれば、早期解散はない。

高市政権はいつまで続く?任期は2027年10月まで

 解散総選挙がないとなれば、高市政権は長期政権になるのか? これは、バラマキ放漫予算の成立後の市場動向にかかっている。このまま円安が進み180円、190円、200円ということになり、長期金利もさらに上昇すれば、「日本版トラスショック」となり、辞任必至になるからだ。
 とはいえ、それでも支持率が落ちなければ、日本経済の衰退と反比例して長期政権になる可能性がある。維新は2027年の統一地方選での勝利を目指しているので、それまでは連立を続行するという。
 高市首相の自民党総裁としての任期は、2027年10月まで。となると、高市政権はあと約2年は続くということになる。はたして、中国の日本制裁はいつまで続くのか? 高市政権が続く限り続くとしたら、日本のダメージは計り知れない。

この続きは1月28日(水)に掲載します。 
本コラムは山田順の同名メールマガジンから本人の了承を得て転載しています。

山田順
ジャーナリスト・作家
1952年、神奈川県横浜市生まれ。
立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。2010年からフリーランス。現在、作家、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の双方をプロデュース中。主な著書に「TBSザ・検証」(1996)、「出版大崩壊」(2011)、「資産フライト」(2011)、「中国の夢は100年たっても実現しない」(2014)、「円安亡国」(2015)など。近著に「米中冷戦 中国必敗の結末」(2019)。

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