新年度を迎える2月は「これからの勉強」について考え始めるご家庭も多い時期です。すぐに何かを始める必要はありませんが、後になって大きく差がつくのは、勉強そのものよりも、その前段階の“準備”です。今回は、非受験学年の今だからこそ意識しておきたい、学びの土台についてお話ししましょう。
新しい年が始まり、周囲では少しずつ「次の学年」や「これからの勉強」の話題が聞こえてくる時期です。実際に当塾でも2月から新年度が始まり、気持ちを新たに授業に、宿題にと、子どもたちはそれぞれ一生懸命取り組んでいます。とはいえ一般的には「まだ低学年だし」「受験は先の話」と感じているご家庭も多いのではないでしょうか。実際、今すぐ何かを詰め込む必要はありません。ただ、この時期だからこそ考えておいてほしいことがあります。それは、勉強を始める前の“準備”です。
ここでいう準備とは、問題集を買うことでも塾を探すことでもありません。もっと手前の、日々の過ごし方や考え方の部分です。これまで多くの子どもたちを見てきて感じるのは、後になって大きく伸びる子ほど、早い段階で「学ぶ姿勢」が自然と身に付いているということです。
例えば、宿題や課題に取り組むとき。「早く終わらせよう」とする子と「まず何をすればいいか」を考える子では同じ時間でも中身が全く違います。後者の子は、最初は時間がかかっても自分で考える癖が少しずつ積み重なっていきます。この差は学年が上がるほど、そして内容が難しくなるほど、はっきりと表れてきます。
また、「できた・できない」だけで終わらせないことも大切です。答えが合っていたとしても「なぜそう考えたのか」「どこで迷ったのか」を振り返る経験がある子は、次に同じような場面に出会ったとき、確実に成長しています。反対に、正解だけを追いかけていると見た目の成績は良くても、あるところで伸びが止まってしまうことがあります。
もう一つ、ぜひ意識してほしいのが「机に向かう前の習慣」です。年齢が上がるにつれて自然と机に向かって勉強する時間は増えていきます。ただ、その前段階として大切なのは「机の上を整える」ことです。机の上が散らかっていると、集中しようとしても気が散りやすくなります。逆に、必要なものだけが並んでいる状態は、それだけで「今から取り組む」という気持ちを作ってくれます。
低学年のうちは長時間机に向かう必要はありません。その代わり、「使い終わったら片づける」「勉強を始める前に机をきれいにする」といった小さな習慣を積み重ねていくことが後々大きな力になります。こうした準備ができている子は、学習内容が難しくなっても自然と机に向かえるようになっていきます。
家庭でできることは決して特別なことではありません。毎日長時間勉強させる必要もありません。むしろ「今日はどんなことを考えたの?」「難しかったところはどこ?」と、結果ではなく過程に目を向ける声かけのほうが子どもの学びを支えます。うまくいかなかった日があっても、それを責める必要はありません。「そういう日もある」と受け止めてもらえる安心感が次の挑戦につながります。
勉強は、ある日突然できるようになるものではありません。日々の小さな積み重ねの中で「考えること」「続けること」、そして「整えること」が少しずつ形になっていきます。学年や成績を気にする前に、まずはこの土台づくりから。2月はその一歩を静かに踏み出すのにちょうど良い時期なのかもしれません。
早稲田アカデミー ニューヨーク校
https://www.waseda-ac.co.jp/abroad/school/newyork.html
早稲田アカデミーNY校 川村宏一(かわむら こういち)

早稲田アカデミーUSA取締役・NY校現地代表。2002年に早稲田アカデミーに入社後、校舎で7年間にわたり講師を務め、その後、高校受験部門にて英語科目の責任者を担当。現在の早稲アカ英語科システムの礎を築いた後、国際部に異動し、英語専門校舎の統括責任者に就任。2023年3月から現職。早稲田アカデミーの教育理念である「本気でやる子を育てる」を、海外においても実践している。お問い合わせは(メール:newyork@waseda-academy.com)まで。
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