Lyft(リフト)が運営する「シティバイク」はニューヨーク市内に2万7000台ある。実は、スムーズなサービス提供のためにバイクを移動させるスタッフを1000人も雇っている。2016年からはバイクを移動させる利用者にポイントを与える「バイクエンジェルズ」制度を開始した。ポイントはギフトカードなどに変えられる。19日付けのニューヨークタイムズによれば、月6000ドル相当を荒稼ぎする「パワーエンジェル」もいるという。

2024年6月の平均利用回数は15万8,975回、年間会員総数は12万7,485人
(19日、ブルックリン区)photo: Asami Kato
まず、リフトのアプリでニーズの高い場所を見つける。満車のステーション(駐輪場)からバイクを動かせば4ポイントもらえる。それを空(から)の駐輪場に止めるとさらに4ポイントになる。24時間以内に少なくとも4台移せばポイントは3倍になる。8ポイントが4回、その3倍で96ポイントとなり、1ポイントは20セントに相当するから、しめて19.20ドルとなる。1回の移動が4.80ドルになるという計算だ。
この制度を逆手に取る集団も出てきた。数人で駐輪場から全てのバイクを近くの駐輪場に移動させ空にしてしまう。するとアルゴリズムが働いて、アプリは空の駐輪場に移動させたバイクに1台4.80ドルを支払うインセンティブを開始する。近くの駐輪場から元の駐輪場に戻すだけで大儲け。これは 「フリッピング」と呼ばれる。ただし、15分毎にアルゴリズムがリセットされるので「タイム・イズ・マネー」のゲームだ。
これで月6000ドル稼ぐというのはアッパー・ウエスト・サイドに住むマーク・エッパーソンさん。オフブロードウェイの「パーフェクトクライム」で代役を務める俳優の卵だ。「他人を食い物にしていると言われれば、その通りだと答えるしかない」と話している。
一般利用者からは苦情も出始めている。それでもリフトはアルゴリズムを変更するなどの取り締まりを強化しない。なぜなら、一般のエンジェルズがバイクを移動させてくれるのは有益で、フリッピングはまれなケースだからだ。しかもスタッフを雇うよりコスト安だ。
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