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アメリカ国内で百日咳の感染者数が急増し、新型コロナウイルスのパンデミック以前の水準に戻っている。ニューヨーク州では今年に入ってから昨年の687件を大きく上回る2337件の感染が報告され、全米では感染者数が昨年の約5倍に増加した。
細菌感染症である百日咳は、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、発熱のほか、ときには制御不能な激しい咳発作を引き起こす。百日咳の英語訳である(whooping cough)は、咳発作が起きた際に乳児が発する大きな音に由来するもので、新生児は特にリスクが高い。生後2カ月未満で感染した乳児のうち約半数が入院を必要とし100人に1人が死亡するため、ワクチン未接種の新生児保護の観点から、妊婦をはじめ新生児と密接に接触する人へのワクチン接種が極めて重要となる。ただ、ワクチンの効果は時間とともに低下するため、より持続性の高いワクチンが開発されているが、まだ市場には出ていない。
現在、利用可能な混合ワクチンには、DTapとTdap の2種類があり、これらのワクチンは百日咳のほか、破傷風、ジフテリアを予防する。6歳以下の子どもにはDTaPを接種し、7歳以上の子どもと大人にはTdapを接種する。妊婦は、妊娠27週から36週の間にTdap の予防接種を受けることで胎児を守る90%の効果が期待できる。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、百日咳の予防接種を全ての人に推奨している。
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