はしか(麻疹)の感染が拡大している。2月、テキサス州に住む6歳の少女が死亡。米国内で、はしかによる死亡は20年ぶりのことだ。少女は予防接種を受けていなかった。両親はキリスト教の一派であるメノナイト派に属しており、最近までロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が創設し率いていた反ワクチン非営利団体チルドレンズ・ヘルス・ディフェンスのインタビューに「娘の死は神の意志だった。はしかは、それほど深刻な病ではない」と発言。さらに、残る4人の子どもたちは代替医療を受け、回復したと述べた。

同動画は反ワクチン運動のプロパガンダとして拡散。ケネディ氏は「ビタミンAがはしかの治療に有効」と主張、「栄養不足が感染の重症化に関与している」などと述べている。NBCやABCニュース、NPRなど複数のメディアがこの問題について伝えている。
公衆衛生の専門家らはケネディ氏の主張を否定。世界保健機関(WHO)もビタミンAが重症患者の視覚障害を防ぐ役割は認めているが、はしかを治療する効果はないと明言。専門家は「ビタミンAは感染症に対する補助的な役割を果たすが、ウイルスを治療するものではない」と警鐘を鳴らす。さらにケネディ氏は「自然免疫が病気を防ぐ」と主張するが、ワクチンが肺炎や脳浮腫などの重篤な合併症を防ぐ科学的根拠は確立されている。
はしかは非常に感染力が強く、1人の感染者から最大18人が感染。感染から7〜10年後に発症し、やがては死に至る退行性の神経疾患、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の症例も発表されている。ハーバード大学医学部の遺伝学教授スティーブン・エレッジ氏によると、はしか感染で免疫記憶が消去される可能性もあるという。米疾病予防管理センター(CDC)は、ワクチンを2回接種することで発症を97%防げると推奨。誤った情報の拡散は公衆衛生に深刻な影響を与える可能性があるため、正確な情報に基づいた予防策が重要だ。
編集部のつぶやき
ニューヨーク州のホークル知事は19日、ニューヨーク州で4人目のはしか患者が確認されたと発表しました。市と州のデータによれば、CDCが12~15カ月の間に三種混合ワクチンを接種するよう推奨しているにもかかわらず、ニューヨークの2歳児の約81%しか同ワクチンの初回接種を受けていないことが判明しています。(A.K.)
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