暖かくなったし、散歩がてらブリュワリーに行こう!
今や、スーパーでも簡単に購入できるようになったクラフトビール。クラフトとは「技術」「職人技」などを意味する単語。そんな職人たちの努力と熱意から生まれた個性たっぷりのビールを飲めるタップルーム併設のブリュワリーが増えています。タップルームなしのブリュワリーと合わせるとニューヨークだけで49カ所あり、禁酒法施行以来一番多いそう。今回は、駅近のタップルーム付きブリュワリーとその近隣のスポットを紹介。気持ちいい太陽とビールという最高の組み合わせを楽しんじゃいましょう!
好みの味に出会うにはビールを知ることが近道
ビールは、発酵方法によって「ラガー」と「エール」に大きく分けられます。ラガーは低温でじっくりと発酵させる下面発酵という製法で醸造。発酵の際に、酵母が底(下面)に沈殿するのが特徴です。スッキリと爽快感のある喉越しで、冷たくして飲むのにぴったり。日本の大手ビールのほとんどがこのタイプ。長期間熟成を行うため、貯蔵を意味するドイツ語から「ラガー」と呼ばれています。代表的なスタイルはピルスナー。
一方、エールは高温で短期間発酵の上面発酵という製法で、発酵の際に、酵母が炭酸ガスとともに表面(上面)に浮かんでくるのが特徴です。豊かな味わいと華やかな香りで、10℃とやや高めの温度でじっくりと味わうビールです。多くのブリュワリーは短期間で醸造できるエールを作ることが多いようです。エールビールはイギリスで発展し、より淡い色のペールエールや、琥珀色のアンバーエール、黒色のスタウトなどが作られていきました。色の違いは、麦芽(モルト)の色合いによるもので、麦芽を乾燥させる時の熱の加え方で色が変わります。高温で熱を加えるにつれて、麦芽が濃色に変化するのです。インディア・ペール・エールもペールビールの一つで、IPAと呼ばれています。インドがイギリスの植民地だった時代、イギリスからインドへビールを運ぶ際に、ホップを防腐剤として大量に投入したため香りと苦みが強いのが特徴。アルコール度もやや高めでとっても刺激的な味わいです。
特徴はそのままに、アルコール度だけ下げたセッションIPA、ホップを倍量使用し香りと苦味も倍のダブルIPA、元祖IPAと言われるイングリッシュIPA、対して、北米産品種のホップを使用した、アロマ強めで雑味なし、その上アルコールの高いアメリカ西海岸発と言われる、ウェストコーストIPA (アメリカンIPA)、オレンジや黄色に濁っていて(ヘイジー)フルーティでジューシーなアメリカ東海岸発ヘイジーIPAなどが派生したエールビールです。これ以外にもたくさんありますが基本的な味はカバーできたところで、お散歩がてら早速ブリュワリーに行ってみましょう!
ここ最近ホットな店が立ち並ぶブルックリンはブッシュウィックから
KCBC (Kings County Brewers Collective)
381 Troutman St, Brooklyn, NY 11237
最寄り駅 Lトレイン Jefferson St

アメコミスタイルの缶デザインが目を惹く。フードはないので持ち込み可。おすすめはラガー。
Kato Sake Works
379 Troutman St, Brooklyn, NY 11237
KCBCのお隣。タップルーム付きの日本酒ブリュワリー。ツアーやテイスティングもあり。
L Train Vintage
1377 DeKalb Ave, Brooklyn, NY 11221
品揃え豊富でお手頃価格の古着屋。トレンドの移り変わりが目まぐるしいニューヨークではお役立ちなお店。
次に、ここ数年で開発が著しいクイーンズはロングアイランドシティ
Finback Brewery
29-37 41st Ave, Queens, NY 11101
最寄り駅 EMRトレイン Queens Plaza。もしくは、7NWトレイン Queensboro Plaza

2種類以上の酵母をブレンドして発酵させるMixed Cultureという手法のビールが飲める。Brooklynで作っているジンなどを使用したカクテルもある。Glendale, Brooklynにも店舗あり。
Rice Thief
39-37 30th St, Long Island City, NY 11101
開店当初はデリバリーのみのこじんまりとしたお店だったが、現在では予約必須の大人気レストランに。その美味しさに何度も足を運ぶお客が絶えない、ケジャン専門店。一度は絶対に行ってほしいレストラン
AnnTremet Cake
41-14 27th St #1B, Long Island City, NY 11101
レモンそっくりのレモンケーキや、こぶしより大きいモンブランが目にも美味しいケーキ屋さん。
最後はやはりマンハッタン。土地の狭いマンハッタンにブリュワリーは1件のみ!
Torch and Crown
12 Vandam St,
最寄り駅 Eトレイン Spring St. もしくは、1トレイン Houston St.

夏にはユニオンスクエアでも期間限定でオープン。Alomost FamousというHazy IPAが最初に作られたもので大人気。ワインやシャンパン、おつまみやシェアフードもあり。
Song’ E Napule
132 W Houston St,
ピザ作りのクラスもあるレストラン。アメリカでは飲んだ後のシメはラーメンではなくピザらしい。
Color Factory
251 Spring St,
色をコンセプトにした体験型ミュージアムで、各部屋や展示物全てがフォトジェニック。多くの部屋に無料スイーツがあり子連れにもおすすめ。
新たなブリュワリーもオープン!ニューヨークのビール巡りはまだまだ進化中。
そしてこの春、Saltfield Breweryという、日本人ご夫婦によるブリュワリーがブルックリンにオープンしました。お酒を全く口にしてこなかったご主人に奥さんが勧めたクラフトビールが美味しすぎて惚れ込み、作り手になったところから始まる素敵なブリュワリー。あるブリュワリーで基礎を学び、そして自分たちのブリュワリーを今年オープン。タップルームは今後併設予定だそう。ドイツピルスナーモルトをベースにお米と麹を加え、喉越しがよくキレのあるライスラガー、その名も”NODOGOSHI”がシグニチャー。5月には、ローンチパーティなどもあるそうなので今後の情報もお楽しみに。
試してみたいビールやお好みのビールはありましたか?前述の通りまだまだ沢山のブリュワリーのあるニューヨーク。ぜひいろんなところに寄って好きな味を見つけてみてください。余談ですが、私はWest Coast IPAとHazy IPAが好きです。
Tamaki / ライター
ニューヨークシティ在住、高校生でアメリカに渡り、今年で22年目。アメリカ人の夫、2人の娘たちと、3歳の保護犬と暮らす。最近はフォロワーとのお茶会や質問会なども積極的に開催!次回は5月中旬を予定しています。詳細はInstagram @tako_nycをチェック!

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