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アルコール依存症治療薬や麻薬拮抗薬として使用されている「ナルトレキソン(Naltrexone)」を禁煙中の女性が服用すると食欲を抑制し、体重増加を防ぐ効果があるという実験結果が、医学誌「Biological Psychiatry(生物学的精神医学)」の12月号で発表された。
同実験を行ったシカゴ大学の研究チームは、シカゴ大学およびイエール大学で700人の男女を2グループに分け、禁煙開始後6〜12週間にわたり、ナルトレキソンもしくは比較実験するための偽薬である「プレセボ(Placebo)」を投薬した。
その結果、アルコールやヘロイン、ニコチン依存を抑制し食欲を抑える効果のあるナルトレキソンを服用した女性の禁煙成功率はプレセボを服用した女性とほぼ同率であったが、禁煙後の体重増加率はプレセボ服用者と比べてはるかに低かった。
禁煙開始から3カ月後、プレセボ服用者の体重は平均5.1パウンド(約2.3kg)増加したのに対し、ナルトレキソンの服用者は2.3パウンド(約1kg)増に留まった。男性ではこのような結果が見られなかったため、この効果は女性のみに有効と言える。
研究論文執筆者でシカゴ大学メディカルスクールのアンドレア・キング博士は、「禁煙後は女性の方が男性より体重増加を気にするあまり、禁煙を諦めてしまう傾向にある」と指摘し、今回の発見が今後の女性の禁煙率増加に繋がる可能性を示唆した。
また、食欲を抑えるオピオイド拮抗効果によって禁煙後の高脂肪で甘い食べ物への欲が抑制される可能性があり、「ナルトレキソン投薬による体重の抑制効果は、過去最も高かった」として新薬への期待を膨らませる。
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