リサイクルは環境面やサステナビリティーにも優れているが、知的財産に属する書籍や音楽については作者やアーティストに経済的報酬をもたらす新品を購入すべきではないか? 読者からの質問に対する、倫理コラムニストのクワミ・アンソニー・アッピアさんの回答は? 14日付けのニューヨークタイムズ・マガジン電子版から紹介しよう。

アッピアさんは、「中古品を購入し、芸術の第二の生命の低コスト民主主義を維持することは、実は多くの利点がある」と大賛成。「物理的なメディアは最初の所有者を超えて耐久し、共有されるように設計されている。アーティストは口コミやオークション、新しい読者やリスナーの獲得といった二次市場を通じて評判を高める可能性など、目には見えないが現実的な利益を得ることができる」と指摘する。この状況は、アーティストが各再生ごとに報酬を受け取る音楽ストリーミングとは大きく異なる。そしてその報酬はしばしば微々たるものだ。
アーティスト、特に優れたアーティストが求めるべきものは、作品から得られる全ての利益の分配ではなく、「作品を販売する真の機会、キャリアを築く機会、観客を見つける機会を提供するシステムである」とアッピアさんは力説する。そして作品は、図書館の書籍や美術館の絵画のように、「世代を超えて無数の人々が自由に楽しめる文化の一部として、正当に存在する」のだと。
古書店やヴィンテージレコード店では、地層のように埋もれた宝物が眠り、開かれるのを待っている。これらの場所は、単にアートを保存するだけでなく、愛好家を結び付け、対話を促し、新たな観客を育む役割を果たす。著者には印税は一切支払われていないが、多くの愛情が注がれている。アッピアさんいわく「この仕組みは公平性の欠如ではなく、創造的な作品が文化的な影響力を獲得する過程の一部である」。なるほど、スッキリ。
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