地下鉄やバスの運賃が現行の2.90ドルから3ドルに値上げとなる見込みだ。実施されれば、2023年8月以来の値上げとなる。ニューヨークタイムズが30日、伝えた。

ニューヨーク市の公共交通機関を運営するニューヨーク州都市交通局(MTA)の理事会は29日、財政計画を発表。併せて運賃の値上げも提案した。ジャノ・リーバーCEOは値上げ率が4%以下であると主張。12年から市内の住宅費は68%も上がったのに比べ、運賃は16%に過ぎないと指摘し「運賃は手頃。生活費の中でもまれなぐらい」と値上げを正当化、来年1月初旬からの実施を目指すとした。
提案にはロングアイランド鉄道(LIRR)やメトロノース鉄道の運賃の8%値上げも盛り込まれている。橋やトンネルの交通料金は7.5%上がる。理事会は公聴会を経て今秋、決議を行う。
これに対しアダムス市長は値上げに反対。声明文で「目立ったサービスの改善もないのに、値上げするのは勤勉なニューヨーカーへの冒涜」と批判した。渋滞税でMTAのニーズは満たされているとの見解を示し、全ての理事に対し値上げに反対するよう呼びかけた。11月に実施される市長選の有力候補、マムダニ州下院議員(民主)は、MTAのバスは高齢者や低所得者が多く利用しているとして、「速度を上げ、無料化する」と公約している。市内のバス料金を無料にすると、MTAの収入が8億ドル減る計算だ。
MTAによると、運営予算は約200億ドルの赤字。今年初めの運賃値上げを計画していたが、タップ決済システムOMNYの本格導入とメトロカードの販売終了を優先させた。渋滞税からの補填は設備投資に充てられ、人件費や光熱費などを捻出しているのは運賃だ。非営利団体ライダーズアライアンスの広報担当は、MTAのバスを毎日数百万人が利用することから「運賃収入なくしてニューヨーク市は成り立たない」とコメントした。
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