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2日に行われた米アメリカンフットボールリーグ(NFL)の優勝決定戦「スーパーボウル」で放映された57のコマーシャル(CM)について、ブランド専門家のマシュー・フェントン氏がビジネスニュースサイト「ビジネス・ジャーナル」のコラムで、独自の見解を披露している。
まずワースト3に選ばれたのは、伊高級自動車の「マセラティ・ギブリ」。90秒のCMのうち71秒間も少女のナレーションが延々と続き、最後の19秒でやっと車の広告だと確認することができたとしている。1台6万5000ドル以上もする車を購入できる層が視聴者の中に多くいるとは思えないし、購買意欲を掻き立てるインパクトもこのCMには見当たらなかったと指摘している。
ワースト2は、米自動車の「クライスラー200」。いかにも米国的なものの映像を次々と映すことで、クライスラーは米国の象徴であると強調したかったのだろうが、実際には「クライスラー=米国」と連想する人はそれほど多くなく、さらにこのCMでそのような人々の気持ちを変えるのも無理だろう、と厳しいコメント。
そして不名誉な1位に選ばれたのは、ウェブサイト作成システムの「スクエアスペース」。ウイルスや悪質な書き込みなど、ウェブ上のさまざまな障害物に扮装した人たちが行列で行進する中、「より良いウェブは、あなたのウェブサイトから始まる」と呼び掛けるのだが、どのようにより良くするかについては、一言も触れられていなかった。
一方、好感度の高かったCMについては、こう評している。
ベスト3は家電メーカーの「ソノス」。家の中を映しながら、流れる音楽のジャンルによってそれぞれの部屋のライトの色が変わる。「家の中を音楽で満たそう」というメッセージと、ワイヤレス・オーディオシステムのメーカーであることをはっきりと伝えている点が高ポイントであった。
またベスト2には、「フォード・フュージョン」が選ばれた。長いCMだったが、メッセージがシンプルで明確。「普通車の燃費を2倍にしました」というフレーズは、燃費が第一と考える消費者なら、このCMを見て興味をそそられたに違いないと評価している。
もっとも優れた作品に選ばれたのは、「ヒュンダイ・ジェネシス」。父親が、危険な目に遭う寸前で息子を救う数々の映像が流される。そして息子はティーンエージャーになり、父親を隣に乗せ、車の運転練習をする。よそ見をして危うく追突するところを、ジェネシスのオート・エマージェンシー・ブレーキが土壇場で食い止める。これも「親の心に響く、はっきりとしたメッセージを伝えている」とした。
毎年、スーパーボウルの翌日には、各メディアやコラムニストなどがCMについて独自の評価やランキング付けをするのが恒例で、それぞれ違った見解を示している。
ことしは総合的に、「ヒュンダイ・ジェネシス」やジェリー・セインフェルドの「コメディアンズ・イン・カーズ・ゲッティング・コーヒー」、「バドワイザーのパピーラブ」などの評価が高かった。
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