2025年9月4日 NEWS DAILY CONTENTS

“食物繊維ブーム” に落とし穴…スナックや飲料にも注意、専門家は「摂取を控えるべき」

近年の健康志向の高まりを背景に、「食物繊維強化製品」が急増中。炭酸飲料やエナジードリンク、スナックバー、ドーナツにまで食物繊維が添加され、SNSでは“ファイバーマキシング”と呼ばれる大量摂取チャレンジが話題だ。ただ、「摂取を控えるべき」と警鐘を鳴らす専門家も多い。8月31日付のウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた。

サプリや健康食品は、自然な食品の力と規則正しい食習慣には及ばない。写真はイメージ(photo: Unsplash / nico smit)

食物繊維は、血糖値の安定や腸内環境の改善、肥満、心疾患、がん、2型糖尿病リスクの低下に寄与する栄養素。ただ、サプリや加工食品、飲料に使われる一部の食物繊維(イヌリンやフルクトオリゴ糖など)を大量摂取すると、炎症や腹痛、膨満感などの不調を引き起こすことがある。ジョージア州立大学の研究では、動物実験でイヌリンが免疫系に影響を与え、肝臓がんのリスクを高める可能性が示された。スタンフォード大学での人間を対象にした研究でもイヌリンが肝臓酵素を変化させることが確認されている。

野菜、果物、豆類、全粒穀物など自然由来の繊維と、加工食品に添加された繊維とでは体への影響が大きく異なる。特に食物繊維入りとされるスナックや飲料には砂糖や乳化剤などの添加物が多く、腸内環境を乱すリスクも指摘されている。専門家の間では、「繊維はなるべく自然な食品から摂取すべき」という意見が主流になりつつある。

                       
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