長引く政府機関閉鎖の影響で、全米の空港で航空管制官が不足し、遅延や混乱が発生している。ニューヨーク市では2日、ニューアーク・リバティー国際空港(EWR)で地上遅延が発生。ニューヨーク市はこの遅延がJ・F・ケネディ国際空港(JFK)やラガーディア国際空港(LGA)など近隣の空港にも波及する可能性があると警告している。ビジネスインサイダーが同日、伝えた。

米連邦航空局(FAA)と、フライトのリアルタイム追跡や遅延情報を提供するフライトアウェアによると、EWRへの到着便は平均218分の遅延が発生。2日午前、ニューヨーク市緊急管理局はXで、管制塔の人員不足により同空港で地上待機プログラムが実施されていると発表。「FAAの計画書によれば、人員不足や需要増加により、後ほど全面的な地上停止措置が実施される可能性がある」と述べた。
また、EWRでの遅延は「しばしばJFKやLGAに波及するため、ニューヨーク市発着または経由の旅客は、スケジュール変更、搭乗口待機、乗り継ぎ失敗を想定すべきだ」と注意を促している。
管制官は政府閉鎖開始後数週間は一部給与を受け取っていたが、支給は10月28日に終了。休暇シーズンが迫る中、無給で勤務を続けている状態だ。「この状況は、すでに極度のストレスを伴う業務に従事している個人にとって、重大な注意散漫を引き起こしている」と話すのは米航空交通管制官協会(NATCA)のニック・ダニエルズ会長。「財政的・精神的負担は国家航空空間システム内のリスクを増大させ、閉鎖が1日続くごとに安全性を低下させている」と懸念を深めている。
フライトアウェアは10月30日、旅行者が遅延や欠航を追跡できるよう「苦痛マップ」を公開。2日の午後早い時間帯、同マップにはEWR発の遅延が51件、欠航が6件示されていた。デンバー国際空港とシカゴ・オヘア国際空港はいずれも50件以上の遅延を記録した。
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