2026年2月11日 NEWS DAILY CONTENTS

凋落する “トランプ” ブランド…5番街トランプタワーは「特に不適切な投資」、投資家が提訴

5番街のトランプタワーにあるアパートは、「特に不適切な投資判断」だったとして、モナコ在住の投資家が訴訟を起こしていることが明らかになった。2つの浴室が付いた1ベッドルームの物件の市場価値は過去10年間でほぼ半分になったと主張、物件を勧めた証券会社と不動産アドバイザーを提訴している。イギリスのニュースサイト、インデペンデントが10日、伝えた。

金ピカのトランプタワー。顔をしかめるニューヨーカーも多い(photo: Unsplash / Miltiadis Fragkidis)

訴状によると、モナコ在住のリカルド・グランデ・スティーブンスさんは2015年11月、トランプ氏が大統領選出馬を表明して間もない時期に47階のHユニットを265万ドルで購入。「当該ユニットは管理費が高額なため、賃貸収入を得るには適していなかった。それにもかかわらず、不動産アドバイザーのリチャード・タヤール氏はスティーブンスさんに購入を進めるよう説得した」という。訴状によると、現在の47Hの価値は約160万ドルで、約40%の損失となっている。

ニューヨークタイムズが24年に発表した調査によれば、「トランプ」ブランドの建物の価格は、2013年から2023年の間に約25%下落。中でもトランプタワーのアパートは最も深刻な下落を示し、シティリアルティの調査によれば、同期間中に平方フィートあたりの平均価格は約50%急落した。不動産経済学者のスタイン・ヴァン・ニューワーバーグ氏はニューヨークタイムズに「建物からトランプの名前を削除すれば、それに伴う損失も除去できる」と語った。

訴状によれば、スティーブンスさんはタヤール氏が受け取っていた販売手数料や入居者確保の賃貸手数料に加え、資産ポートフォリオ管理のために年間10万4000ドルの管理手数料を支払っていた。にもかかわらず、タヤール氏はトランプタワーの物件に入居者を見つけられず、代わりに自ら入居しながらスティーブンスさんへの家賃支払いを一切怠ったうえ、税金や共益費の未払いを隠し、虚偽の収益報告を提出していた疑いもあるという。スティーブンスさんの約40件の投資物件のうち28件に滞納による担保権が設定され、2件は差し押さえ手続き中とされる。損失は少なくとも200万ドル、総額では300万ドル超に上る可能性がある。

「トランプ」を外したビルは良好はパフォーマンスを示す

5番街のトランプタワー以外にも商業物件の40ウォールストリートも深刻な苦境に直面。稼働率の急落と純営業利益の減少により「アンダーウォーター」(負債額を上回る価値がない状態)に陥ったとの報告がある。不動産アナリストは、「トランプ」ブランド名が特定の市場で「放射能汚染された」状態となり、下落の一因となっていると指摘。トランプの名前を外したビルは、そのまま残したビルよりも良好なパフォーマンスを示していることから、価値下落は大統領の物議を醸す政治姿勢によるものとの見方と、ニューヨーク市における法的課題と関連付けられることが多い。

ポートフォリオ全体の評価は賛否両論

全体的な下落傾向にもかかわらず、トランプ・インターナショナル・ホテル&タワー・ニューヨークのような高価値でユニークな資産では、高価格ユニットの成約が散見される。トランプ・オーガニゼーションはこれを根拠に、自社の建物が依然として最高価格を維持していると主張しているが、市場データから見て、ニューヨーク市の住宅物件における「トランプ」ブランドの価値はピーク時から大幅に低下していることは間違いないようだ。

                       
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