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【3日付FOX5】ニューヨーク州のアップステートで、シカの尿が病原菌を媒介する恐れがあるとして問題になっている。
シカの尿は狩りをする際、他の野生動物を引きつけるために使用されている。しかし、シカの唾液や尿に含まれる異常プリオンたんぱく質が、狂牛病に似た脳がスポンジ状になる慢性消耗病(CWD)を引き起こすため、州ではこのほど、シカの尿を使った狩りを禁止する条例案が提出された。
CWDはシカやムースの間で年々感染が広がっている。50年ほど前にコロラド州で初めて感染例が報告されて以来、米国政府は感染拡大を抑えようとさまざまな取り組みを実施してきた。これまで24州およびカナダで感染例が報告され、ニューヨーク州でも2005年にCWDに感染したシカの群れが発見された。
その際は、シカに餌を与えることや汚染地域で捕獲したシカの死骸の持ち込み、養鹿場への新たな家畜の輸入などが禁止された。中西部のウィスコンシン州は、感染を防ぐために汚染地域にいるシカの殺処分も行っている。
人間への感染も懸念されるとして、ニューヨーク州では狩猟に使うシカの尿の販売なども禁止する見通し。狩猟家などからは、「狩りがしにくくなる」といった反対の声が上がっているが、州環境保護局のバジル・セゴス局長は「野生動物の生態系を守るためにもこの条例は必要だ」と話している。
今月15日まで、州は条例に関する意見を一般市民からも募集している。

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