2020年3月16日 NEWS DAILY CONTENTS

地下鉄で寝泊まりのホームレス さらなる感染拡大を懸念する声高まる

 ニューヨーク市のデブラシオ市長は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために時差通勤を呼び掛けたが、地下鉄内で寝泊まりするホームレスへの対応が遅れているとして、市民から非難の声が上がっている。ニューヨークポストが10日、報じた。
 「感染の恐れがある地下鉄内で寝泊まりする姿を見るのはつらい」と顔を曇らせるのはバルと名乗る女性。「市は手指消毒剤やマスクを地下鉄内のホームレスに配布すべき」と話すのはブロンクス区の病院の職員、サラ・エリザベスさん(19)。放置しておくと、さらに感染が広がってしまうのでは、と懸念する。
 デブラシオ市長は同日、地下鉄内のホームレスの追跡や健康状態のチェックは市が委託する非営利の地域団体バワリーレジデント委員会(BRC)が実施しており、新型コロナウイルスの症状を発見した場合は医療措置を取ると表明。しかし、BRCの職員は事務所で大部分の時間を浪費しアウトリーチは活動時間の4分の1というトーマス・ディナポリ州会計監査官による昨年の調査結果もある。
 ニューヨーク州都市交通局(MTA)の報道官は、「昨年夏に専門チームを発足させてからホームレスへの接触は4万5000回。今後も鋭意努力する」と弁明している。

マンハッタン区グランドセントラル駅前で撮影(photo: Yirika Fukagawa / 本紙)

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