世界に10億人の利用者を持つソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)最大手のフェイスブックだが、このところ若年層(13歳〜29歳)の“フェイスブック離れ”が加速し、他のソーシャルメディアに乗り換える人が増加しているようだ。
フェイスブックは2004年にマーク・ザッカーバーグさんがハーバード大学在籍中に、同学内の学生らが交流を図るために立ち上げたものだが、創設10年目にして元々の標的だった若年層が離れて行く代わりに、50代以上の高齢者の“情報共有ツール”へと変貌を遂げている。
フェイスブック社もこの事実を把握しており、同社の年次決算の報告書では、「一部ユーザー、特に若い世代の情熱が、インスタグラムなど他のSNSに移行していることを承知している」とコメントしている。
その理由はいくつかあるが、まずひとつ目には、「あまりにも多くの人が利用しているために、プライベートなことを投稿できなくなった」という意見が聞かれる。最近では50代以上の世代も含め、あまりにも利用者が増えているため、家族や会社の上司が〝友達〟ネットワークにいることを警戒する若者らは、自分についての情報を発信するのが億劫になっているようだ。
そのほかにも、詐欺や関連犯罪の多発、情報流出に加え、「ただ単にめんどくさくなった」「時間がない」などの意見も聞かれる。また、「1度会っただけの人にも〝友達〟申請され、希薄な友情ネットワークに疲れた」という声も上がっている。
若者の利用者が増えているインスタグラムは写真を共有するアプリで、同アプリを発明したインスタグラム社は2012年にフェイスブック社が買収している。
若い世代はほかにもソーシャルブログサービスのタンブラー(Tumblr)や、送った写真が10秒以内に消えるスナップチャット(Snapchat)などへも流れている。
フェイスブックは将来的なビジネスへの影響を懸念しているが、それでもなお「我々はコミュニケーションをより速く、より簡単に、そしてより深くする上で最先端のサービスを提供しており、多くのユーザーの生活の中心的役割を担っている」と自負している。
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