2012年7月17日 NEWS

700羽のがんを殺処分 バードストライク対策で

 ジョン・F・ケネディ(JFK)空港やラガーディア空港に離着陸する旅客機のバードストライク事故を防ぐため、クイーンズ区ジャマイカ湾野生生物保護地区周辺に生息するカナダがん700羽がこのほど、殺処分されることが判明した。

 ニューヨーク州選出上院議員キルスティン・ギリブランド氏は4月に、羽が生え変わり飛べない6、7月を利用して同地区のカナダがんを米農務省(USDA)が取り除く法案を提起し、承認された。だが、ジャマイカ湾周辺に生息するカナダがんとこれら空港でのバードストライクは無関係とする見方もあり、動物愛護団体はこの間引きを大量虐殺とし、非人道的だと非難している。また、USDA公認獣医ジョン・ハイネス氏は、USDAのがんを1時間ほど二酸化炭素の中でゆっくり窒息死させるという残忍な殺処分法に、批判的な見解を示している。

 こうしたがんの殺処分は2009年にハドソン川で発生したU.S.エアウェイズの不時着事故以来、市で承認されており、10年には1700羽が殺処分されている。

 しかし、その後もバードストライク被害は後を絶たず、ことし4月19日にもロサンゼルス行きのデルタ旅客機がJFK空港に引き返し緊急着陸。また同月24日に発生したジェットブルー旅客機のウエストチェスター空港での緊急着陸もバードストライクが原因だった。

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