ことしのハロウィーンは ビッグバードだらけ? 大統領選討論会の思わぬ勝者

 31日に控えるハロウィーンに向け、ニューヨーク州内のコスチューム店がさまざまな衣装を販売するなか、全米で人気を誇る子ども向けテレビ番組「セサミストリート」のキャラクター、ビッグバードの衣装の売れ行きが好調だと話題になっている。

 その要因は、先日行われた次期大統領選の討論会で共和党代表のミット・ロムニー氏が、米公共放送(PBS)への連邦政府の助成金を打ち切ると公言したことにある。同氏は、同局の長寿番組セサミストリートの人気キャラクター、ビッグバードを名指しし、国家予算の無駄遣いと指摘。PBS再建の必要性を強調する狙いだったが、討論後、オバマ陣営がロムニー氏のビッグバードを悪者扱いした発言に対する批判広告を出したため、一躍ビッグバードは〝時の人〟となった。

 マンハッタン区内では、成人男性用のビッグバードのかぶりものが売りきれとなるコスチューム店が続出しており、追加注文をする店も増えている。

 ユニオンスクエア付近にあるハロウィーン・アドベンチャーに勤務するサラフィナ・パナスィードさんは、このビッグバード現象を予測していた。「現に、大統領選討論会の翌日、ビッグバードを購入した客は3人いた」と証言する。また、「20分ほど前にも、ビッグバードを取り扱っているかという問い合わせの電話があった」という。

 毎年、ニューヨークのハロウィーンでは話題の人物になりきる人が続出するため、時事的文化が色濃く反映する。2009年はマイケル・ジャクソンさん、昨年はアップルのスティーブ・ジョブズさんというように、同年に逝去した著名人にも人気が集中。ことしはヒーロー映画が多数公開されたため、ビッグバードのほかに、キャプテンアメリカやバットマンなどヒーローものがトレンドとなりそうだ。