3日午後12時半ごろ、マンハッタン区の繁華街タイムズスクエア近くにある地下鉄駅のホームで、ニューヨーク市内在住のキ・サク・ハンさん(58歳)が男に突き飛ばされて線路に落ち、電車にひかれ死亡する事件が発生。ニューヨーク市警察庁(NYPD)は5日未明、殺人容疑の疑いで、ホームレスの男を逮捕した。
逮捕されたのは、ナイーム・デービス容疑者(30歳)。事件直前、ハンさんとデービス容疑者が口論していたという目撃証言があったため、NYPDが監視カメラの記録をもとに、身柄を追跡。容疑者は一連の犯行を認めている。
事件が発生したのは地下鉄7番街と49丁目駅のホーム。ハンさんは線路に落下した後、ホームに這い上がろうとしたが間に合わず、駅に侵入してきたQ線ダウンタウン行きの電車の下敷きとなった。
事件当日は、N、Q、R線の一部区間が運休措置を取った。
米紙NYポストの表紙に物議 死亡直前の男性
3日タイムズスクエア近くの地下鉄ホームで発生した男性突き落とし事件について大きく取り扱った、米タブロイド紙ニューヨークポストの表紙が波紋を呼んでいる。
4日付の同紙の表紙は、被害者の男性が向かって来る電車から逃げようとホームに這い上がろうとする瞬間を撮影したもので、「迫り来る列車と、もうじき死を迎える男性」という見出しが付いていた。写真は、駅に偶然別の撮影のために居合わせた同紙と契約するフリーランスのフォトグラファーが撮影した。
これを受け多くの読者が、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のフェイスブックやツイッター上などに、「道徳心がなく残酷」「遺族への配慮が欠けている」など、ポストが掲載した写真および見出しは不適切だったと非難した。また、現場に居合わせたフォトグラファーに対しても、「事故の瞬間を撮影する準備ができたなら、男性を救うこともできたはず」という批判の声が出ている。
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