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米国の宝くじといえば「パワーボール」や「メガミリオンズ」など、時には1等当選金額が5億ドルを超えることもあり何かと話題になるが、「パワーボール」の当選確率は約1億7500万分の1とゼロに近い。それでも尚、なぜ人々は宝くじを購入し続けるのかという議論が展開されている。
昨年4月に「メガミリオンズ」の当選金額が6億5600万ドルを超えた際に、人間行動学の専門家、ウェンディ・ワルシュ氏は、「経済不況が続くなか、人々はいつか救われるという思いにすがりやすい。シンデレラのように、魔法使いが助けてくれるという“シンデレラ・コンプレックス”に陥りやすいのでは」という独自の見解を披露している。
また心理学者のスティーブン・ゴールドバルト氏は米心理学専門誌サイコロジー・トゥデーに掲載された記事のなかで、2つの理由を挙げている。
ひとつは、「人間には周囲と同じ行動を取りたいという心理が働くため」。周囲の人々が宝くじを購入していると知ると、その流行や話題に自分も乗りたいと思うのだという。
ふたつめは、「“アメリカンドリーム”と言うように、宝くじには少ない投資で莫大な富(=夢)を手に入れることができると信じ込ませる力がある」と説明する。
ほかにも、低コストで購入できるため、臨時所得を望む低所得者が手を出しやすいという議論、明るい未来を想像することで実生活の精神面での質の向上が期待できるという議論などもあがっている。
いずれにせよ、今後も何百万という人々がわずかな可能性に賭け、毎週の当選番号発表日にはテレビやパソコンのスクリーンを凝視し、奇跡が起こることを信じ続けることは確かである。
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