2014年7月17日 NEWS

政府が支持するエイズ予防薬 擁護団体は反対

 HIVへの感染を予防することができるとされる最先端の薬品が、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事をはじめとする政府関係機関の支持を受けているという。
 同知事は先月、エイズ撲滅計画について発表。年間2000人と言われる新規HIV感染者数を2020年までに年間750人に減少させることを目標とし、その方法として「ツルバダ(Truvada)」という薬品の使用促進を掲げていた。州保健局長代理のハワード・ザッカー氏は「感染危険度の高い人々の感染前の予防が、感染率の低下にもっとも重要である」と語った。
 同薬品は1日1回服用することにより、ウイルスの複製に必要な酵素の活性を阻害する。約10年前に米食品医薬品局(FDA)からエイズ治療薬としての認可を受け、エイズ治療のために幅広く使用されてきたが、12年には予防薬としても認可された。先日、世界保健機構(WHO)が感染前の健常者への予防薬として、同薬品を支持する考えを発表しており、5月には連邦保健指針も同様の勧告を行っている。
 だが、あるエイズ擁護団体は同薬品の文化的および健康的影響を疑問視し、強い反対姿勢を見せている。
 州の重要な公衆衛生の取り組みに同薬品を取り入れるのは、同州が初めてとなり、全米の注目が集まっている。

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