これからの季節、日が短くなると、人の精神的健康に影響が出ることはすでによく知られているが、冬に季節性感情障害(SAD)やうつ病などの症状を訴える人が多いという。
日照時間の変化は精神面だけでなく身体的健康にも影響があり、疲労感や睡眠不足、体重増加、血圧やコレステロール値の変化といった症状にも現れることから、専門家は双方の健康管理を呼びかけている。
オハイオ州デイトンにあるグランビュー病院のウエイン・スコット・アンダーソン医師は「睡眠不足は他のさまざまな疾患の原因となり得るためもっともよくない」と警告している。
例えば睡眠が不足すると、神経系の反応が過剰になり炎症を起こすことから、関節炎が再発しやすくなる。また脳が情報を取り入れ処理する機能も衰えがちだという。
研究によれば、毎日の睡眠時間が7時間より少ない人は、平均余命が8%短くなるといわれている。このため同医師は「理想的には7~8時間の睡眠が必要だ」と話す。また睡眠のためには、昼間は太陽を含めた光に当たることが大切だが夜は避ける必要がある。これは光に当たると、睡眠のサイクルを調節するメラトニンというホルモンの分泌が抑制されてしまうためだ。
さらにアンダーソン医師は眠りやすくするため「電話やテレビなどはすべてオフにし、外からの光を遮断して部屋は暗くする」「夜暖かいお風呂に入ること」などを勧めている。ただし深部体温を上げてしまうため電気毛布を一晩中使うのは勧めないとしている。また、カフェインとアルコールは極力減らすことも大切だ。
冬になるともう一つ重要なのが食生活。ニュージャージー州の登録栄養士デボラ・レビー氏は「冬になると体重が増える人が多い」とし「原因は運動不足と誘惑に負け不健康なものを食べ過ぎる機会が多いことだ」と話す。
同氏は「脳は食べ物を快楽だと理解している。食べること以外の冬の楽しみを積極的に見つけるように」と指導している。
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