ここ数カ月の急激な円安と円高、大幅な原油下落、世界的株安など、マーケットのニュースに日々事欠きません。特に原油の下落は目を見張るものがあります。もし、今年の7月中旬に1バレルあたり1セントで売られていた、行使価格70ドルの2015年1月限原油(CL)プットオプションを買っていたら、現在14万%以上の利益が出ているという話もあります。この驚くべきケースを踏まえて、今回は魅力的なオプション取引について書きたいと思います。
そもそもオプションとは何かというと、原資産を特定の日に決められた価格(行使価格)で買うか(コールオプション)売るか(プットオプション)の権利です。オプションの原資産となる物は、ドル円などの通貨、日経平均などのインデックス、個別株式、金利、そして原油などの先物商品などです。
重要な点はオプションという名の通り、あくまでも権利なので期日に必ず売買をする義務はありません。もし、権利を行使しなければ権利は消滅し、支払ったオプションの価格(プレミアム)はゼロになります。(ここではヨーロピアンオプションについて書いています。アメリカンなど他にも様々なタイプがあります)
例えば、ある投資家が価格100ドルのある株を上がると思っているが、リスクを限定したいと思い、2カ月後に100ドルで買う権利、即ちコールオプションを3ドルで買うとします。その後、株の価格が50ドルまで下がったとしても、最初に支払った3ドルのオプションプレミアム以上の損は発生しません。一方で、価格が150ドルまで上昇すると、最初に支払った3ドルを引いた分の差額の47ドルの利益が出ます。そして、価格が上昇するほど無限に利益も大きくなります。このように通常のオプション取引は損失限定、利益無限の取引なのです。
さて、本コラム一番最初の原油オプション取引を具体的に見てみましょう。原油プットオプションを1セントで買うと、1オプションあたり1000バレルの取引となりますので、合計10ドルの投資となります。そして、12月半ば現在のオプション価格である約14ドルで売ると、半年間で合計1万4000ドルの利益となります。もちろん、原油が半年間で50%近く下落する確率は高くはないですが、最大10ドルの損失に対して1万4000ドルの利益はまさにオプション取引の醍醐味を表しています。(在NYエコノミスト チングーン・ボロルマー : l.cbolormaa@gmail.com)
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