人があふれ返るニューヨークで、周りの人と「近すぎっ!」と思った経験はないだろうか。このように、他人との距離が近過ぎて違和感を感じるのは、〝パーソナルスペース〟なるものが原因なのだという。
人は皆、目には見えない自分だけの精神的な領域を持っている。これをパーソナルスペースといい、他人に近づかれると人は不快に感じる。パーソナルスペースは、親近感を抱く相手に対しては狭く、他人に対しては広く、一人一人が持っているものだけに、どうしても個人差がつきものである。そして男女の違い、人種の違いでもパーソナルスペースは異なってくる。
ニューヨークで電車に乗っていると、まだまだ人が乗れる空間があるにも関わらず、その電車に乗らず次の電車を待つ人をよく見かける。席が空いていても座らずに立っている人も多い。これらの状況を、日本で見かけることはあるだろうか。日本の満員電車では、少しでも多くの人が乗れるように7人掛けの座席には7人きちんと座り、立っている人も混んでいれば奥へ詰めて乗る。しかし、米国人の場合はぎゅうぎゅうに詰めることはせず、車両内には常に空いたスペースがある。それはなぜか。米国人は日本人に比べ、パーソナルスペースが広いからだと言われている。
一般的に米国では乳児であっても親と寝室が別で、子どもはそれぞれ自分の部屋を与えられ、小さい頃から個人のスペースをもっている。また、米国は個人を尊重する国であり、精神面でも行動面でもむやみに他人のエリアに入り込まない。必要以上に他人と接近することを避けるのだ。日本人は内向的なためパーソナルスペースは広いとも考えられるが、それよりも周りへの〝気遣い〟が勝るのかも知れない。
電車で端っこの席を好む日本人、真ん中に座る米国人。パーソナルスペースの価値観の違いにより、このような状況が生み出されるのだろう。利用者数が過去最高となり、また雪のためいつもは利用しない人も電車に乗るニューヨークの地下鉄。何かと混み合う電車に乗る際に、パーソナルスペースのことを意識して乗るのも面白いかもしれない。(藤谷/大山)
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