次世代型気象衛星の開発を 上院議員が資金削減に反対

 ニューヨーク州選出連邦上院議員のチャック・シューマー氏は4日、2012年10月に米東部を襲ったハリケーン「サンディ」のような大規模災害をできる限り早く予測し被害を最小限に抑えるためにも、次世代型気象衛星の開発資金が必要であることを訴えた。
 現在上院議会には、気象衛星の開発資金を2億4500万ドル(約294億円)削減する法案が提出されているが、同氏は、各地で破壊的な暴風雨が起こる中、新しい気象衛星の開発資金を削減すれば、早ければ2016年には気象予報に問題が生じ、人的及び物的被害を被ることになると警告している。
 気象サイト、アキュウェザー副社長のマイク・スミス氏によると、現在軌道を回っている気象衛星のいくつかは耐用年数を超えているが、米国には予備の準備がなく、高度なデータ収集技術にも後れを取っているという。
 全米では14年、8件の異常気象による自然災害などが起き、いずれも10億ドル(約1200億円)以上の損害をもたらしたが、米海洋大気庁が運用する気象衛星から受信したデータがなければ、被害はさらに拡大していたものと考えられている。

米気象衛星「ゴーズ」からのデータでは、3~4日にかけ東海岸に近づ いたハリケーン「ホアキン」がニューヨークに上陸する確率は20%と 予測されていた(photo:NASA Goddard Space Flight Center)