ニューヨークでは今、州や市におけるサービス業の最低賃金値上げを伴い、チップや料金体系に関する議論が過熱している。レストラン王ダニー・メイヤー氏が、いち早くチップ制度を廃止したことも話題となった。そこでレストラン経営者のみならず、消費者にも問われているのが、チップの意義だ。
57歳のメイヤー氏は、12のレストランを経営し、2016年の終わりまでに所有する全てのレストランにおいてチップ制度を廃止することを予定している。レストランの経営を支えているのはサーバーだけでなく、キッチンで働くメンバーにも“客の喜び”は共有されるべきであり、そのような格差をなくすためにチップ制度を廃止するとしている。順調な経営をしていく必要があるので、料理のメニューそのものを値上げすると発表している。
19日にマンハッタン区ミッドタウンのザ・モダンでは、とある事件が起きた。客がチップを置きたいといってきかなかったのである。ニューヨーク・ポストへの取材に対し、「もちろんチップを払わなくてよいことは知っていた。それでも、サーバーの彼女の丁寧なサービス、素敵なワインのセレクションにどうしても礼がしたかった。彼女はチップはいりませんと言ったが、チップを置いてまるで逃げるように店を出た」と話した。「チップはよいサービスに対して、誠心誠意を尽くして働く者に対して支払われる正当な対価だ」とも付け加えた。一方、20%のチップが当たり前になりつつあるニューヨーク市では、「チップを払わなくていいなら、それがいい」、「計算が楽」などの意見も少なくない。
レストランでの体験というのは、総合的かつ複合的なものだ。チップに関する議論が、食における満足感が味やコストパフォーマンス(値段)だけではないことを物語っている。
チップはよいサービスのために! 改めて問われるチップの意義
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