大竹彩子(焼酎&タパス 彩)「プロ」が選ぶこの焼酎、この一本! 毎月第4月曜号掲載 第九回

 第九回 編集のプロ「伊藤佑子」さん
毎月焼酎好きで有名な各業界の「プロ」をゲストに迎え、焼酎と言ったら「この一本!」を選んでいただくこのコーナー。さらに焼酎にまつわる人生エピソードを焼酎ソムリエ大竹彩子とインタビュー形式で語っていただきます。焼酎のプロと各業界のプロの焼酎トークお楽しみください。

伊藤佑子さん

伊藤佑子さん

−−米国に住む日本人のバイブル「便利帳」でおなじみのY’s Publishing元編集長の伊藤佑子さんをお迎えしました。伊藤さんは大変な焼酎好きだとか?

伊藤: そうですね、毎日飲んでいると言っても過言ではないです(笑)。仕事から帰宅して、ふぅ〜って、至福の時。それでその1日が締まるというか、ゆっくり眠れるんです。

−−よく分かります。家ではどんな焼酎を?

伊藤: 米国では焼酎は高いので、今はお手軽な価格でおいしい「黒霧島」を飲んでいます。ロックが最高ですね。

−−なぜ、焼酎はそこまで伊藤さんを魅了するのでしょうか。

伊藤: まず、悪酔いしないのが一番気に入っています。あとは食事をしながら飲むのに最適。ビールはお腹がふくれるし、カクテルは食事と合わせづらい。焼酎はテーブルに1本あれば大人数でもそれぞれ好きな割り方で楽しめるから、ハッピーな飲み物ですよね。

−−焼酎は、ビールや日本酒よりも肝臓への負担が軽いと言われていますね。伊藤さんは今は別のお仕事に就いてらっしゃいますが、編集長時代の思い出は。

伊藤: ダイレクトに人の役に立てていると感じられたことは嬉しかったです。便利帳は米国に来たばかりの駐在員や学生の方々が最初に手に取る、いわばHow to本。本当にたくさんの方から「読んだよ」「役に立ちました、ありがとう」と言っていただきました。逆に辛かったことは、入稿前は深夜残業になることも多々。ヘトヘトになって帰りに居酒屋Rikiに寄って、焼酎飲んで(笑)。

−−やはり黒霧島を?

伊藤: そこは「富乃宝山」。これが今回私の選ぶ「この一本!」なんです。二十歳からずっと飲み続けてきました。私の社会人としての成長をともにしてきたような、特別な存在なんです。ほんのり甘くて、私の大好きなロックにとても合う。
−−富乃宝山には日本酒に使われる黄麹が使われているため、とても芳醇でトロッと甘みがあります。伊藤さんにとって焼酎はいつも近くにあったんですね。

伊藤: 編集にとって一番必要な要素は「人と人のコミュニケーション」。編集とは一見、文字の羅列ですが、“いち人”によって行われるものですから、編集スキルの前に人としてのスキルが大事。良いものを作るためにはクライアントとはもちろん、同じものを作る仲間とも良い関係を作らなくてはならない。そんな仕事から帰宅して、その日を振り返る自分と自分とのコミュニケーションの仲介役にいつも焼酎がありました。それは仕事が変わった今も同じです。

−−最後に編集の「プロ」伊藤佑子にとって焼酎とは?

伊藤: 「一生付き合っていく相棒」

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「富乃宝山」
西酒造(鹿児島県) 原材料: 薩摩芋、米麹
芋焼酎の原料として最高といわれる黄金千貫をさらに厳選、丹念に磨き、低温管理で作られる。黄麹を使用することによって新しい芋焼酎の世界を拓いた1本。


大竹彩子
東京都出身。2006年、米国留学のため1年間ミネソタ州に滞在。07年にニューヨークに移り、焼酎バー八ちゃんに勤務。13年10月に自身の店「焼酎&タパス 彩」をオープン。焼酎利酒師の資格をもつ。

焼酎&タパス 彩
247 E 50th St (bet 2nd & 3rd Ave)
212-715-0770 www.aya-nyc.com