1969年から問題提起され、今や、すっかり定着した感のあるアースデー(地球の日)、4月22日は地球について考える日だ。今年は世界中で「科学のための行進」が行われた。温室効果ガスが充満し、温暖化で「瑠璃色の地球」が失われつつあるにもかかわらず同現象を否定するなどして、「不都合な真実」から目を背けるトランプ政権に抗議するもので、世界で推定180万人が参加した。
環境汚染が進み、気候変化(Climate Change)(*編集部注)が止まらない地球に生きる私たちにどんな影響があるのか。環境と健康が密接につながっていることは意外に知られていない。13日付CNN電子版は 「米国人は気候変化を対岸の火事だと思っている」との見出しで、この問題を伝えた。
世界保健機関(WHO)の調べによれば、気候変化と公害、それに関連する疾患により毎年、世界で1260万人の命が奪われている。しかしこうしたデータやニュースを見ても、米国人は現実問題として直視していないと警鐘を鳴らしている。

地域別に予測される気候変化と健康被害
常態化するアレルギー症状
バージニア州のジョージ・メイソン大学で気候変化と健康問題の関係について研究するモナ・サファティ博士によると、「ブタクサはアレルギー症状の原因となるが、これらの植物は二酸化炭素の多い環境で増殖することが判明している」と話す。また、気候変化によるアレルギー性疾患は全米で広く拡大しつつあるという。
昔ほど栄養がない
野菜や植物の豊かな育成のためには良質な水と空気が不可欠だ。サファティ博士は、最新調査の中で彼女を最も驚かせた結果だったとして、「二酸化炭素が多い環境下で育った穀物には、栄養素がさほど含まれていない」との事実を明かす。また、水質環境が汚染されるほど蚊が増殖し、ライム病やジカ熱などの感染症もより広範囲に拡大し、人体をむしばむことになる。
気持ちが沈むのは地球のせい?
ウィスコンシン-マディソン大学の世界健康機関の研究結果によれば、うだるような夏の暑さ、汚染された空気、洪水などが人間の循環器系などに影響を及ぼし、アレルギー性疾患を発症させたり、健康を害したりするという。サファティ博士は、「こうした健康被害は、不安やうつの症状を促進する。家庭内暴力、アルコール依存、PTSDなどの精神衛生と無関係でない」と話す。
同記事は、こうした病は避けられるとして、地球や社会環境と自分たちの健康との関係性に注意を払うことが重要だと結んでいる。
CNN by Jacqueline Howard (4/13, 2017)
*1994年に発効した国際連合の気候変動枠組条約(地球温暖化防止条約)では、人為的な変化を「気候変化(Climate Change)」、非人為的に地球の環境が変化することを「気候変動(Climate Variation)」と定義している。
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