コロンビア大セクハラ教授退任 大学には残留

 【10月31日付ニューヨークタイムズ】学生にセクシュアルハラスメントをしていたとして10月2日に提訴されていたコロンビア大学の教授(79)が、同大学と合意し、教職の立場から退くことになった。同大学が同月31日、学生と教職員に送ったEメールにより明らかになった。同被告は学生の指導は行わないものの、職員として大学に残るという。
 2014年、当時大学院2年生だった原告の女性は、ウィリアム・V・ハリス被告と春学期の講義を通じて知り合い、週に1度、個人指導を受けていた。当初2人は学術的な話題や共同で発行する出版物などについて話していたが、同被告が次第に女性の私生活について頻繁に質問するようになったという。その後、同被告の行動はエスカレートし、わいせつな内容の文章を送りつけたり、机に女性を押し付け無理やりキスをしたり、性的行為を求めたとされる。
 原告代理人のデイビッド・サンフォード弁護士は、「大学は同被告がこれまでも教授の立場を利用し女子学生に対していやがらせをしてきたと知りながら、何の対策も講じなかった」と指摘。女性は同被告の性的いやがらせにより1年間休学せざるを得なくなり、経歴に損害を受けたとして賠償金を求めている。