自転車レーンの安全性強化へ テロ後に対策求める声再燃

 【1日付amニューヨーク】マンハッタン区ローワーマンハッタンで10月31日、トラックが自転車専用レーンに突っ込んだテロ事件を受けて、自転車専用レーンの安全性を高めるために車道との境目に柵やブロックなどの障害壁を設置し、自動車の通行帯と区切るよう求める声が再燃している。
 テロ発生現場と同じ場所で、自転車に乗った男性が車とぶつかり死亡する事故が起きた2006年以降、ハドソン・リバー・グリーンウェー沿いにある自転車専用レーンの安全性強化を訴える声が高まっていたが実現せず、交通安全推進団体、トランスポーテーションオルタナティブスの副会長、キャロライン・サンポナーロさんは「これまで市は対策を講じてこなかった」と批判している。
 ニューヨーク市交通局(NYCT)によると、ハドソン・リバー・グリーンウェーにある自転車専用レーンにおける9月平日の1日平均利用者数は6519人。市内で自転車人気が高まっていることに加え、近くでハドソンヤードなどの不動産開発も進行しているため、今後も利用者は増え続けると予測される。
 今回のテロをはじめ、世界中で車両を使ったテロの危険性が高まる中、NYCTが約1カ月前、高速道路などの安全強化に向け調査を開始すると発表していた矢先に事件は起きた。市は、「市民の安全を守るために何らかの対策を立てる」としている。

11.2 Update
 市は2日、マンハッタン区ミッドタウンの59丁目からローワーマンハッタンのバッテリーパークにかけての57カ所に防護ブロックの設置を開始した。市運輸局は、「他の手段が必要かどうか、精査していく」としている。