元気の道しるべ Story 1
病気になって初めて気づくこと、始めた習慣、出会えた人。
病気をプラスに捉えたら、人生が違って見えてくる。焦らず慌てず生きましょう。
自分に嘘をつかない、自分らしく生きる。

小笠原真弓さん(54)
東京都小金井市在住/アロマインストラクター、レイキ講師
アロマイメージスタイリストスクール(日本アロマコーディネーター協会加盟認定校)主宰およびアロマ、ハーブ、マナー講師
http://venusplanning.himegimi.jp
36歳で乳がんに
ワーカーホリックで疲れ知らずの小笠原さんに異変が起きたのは36歳の夏。帰宅後1時間は休まないと片付けもできない日が続いた。そんなある日、左の乳房の下にしこりを発見したが、「おできでもできたのだろう」と気にも留めなかった。「まさか自分が、がんなんかになるはずがないって思ってしまうものなんですよね」と、小笠原さんは当時を振り返る。病院で検査を受けたのは、しこりに気づいてから2カ月後。ステージIIの乳がんだった。医師には、「どうしてもっと早く検査に来なかったのか」と言われた。気が動転し目の前が真っ白になり、目に映る世界がモノクロになった。真っ先に頭に浮かんだのは、仕事と子どものことだった。
手術で左乳房を切除し1カ月入院して抗がん剤治療を続けた。脇下のリンパ節全てを切除したため腕が上がらず、日常生活にも支障を来した。リハビリと1年にわたる抗がん剤治療でQOLは一変。断続的に襲ってくる吐き気や全身の倦怠感と戦いながら、それでも小笠原さんは仕事をやめなかった。
「仕事だけは何としても続けたかった。仕事をしていない自分は嫌だったのです」
再発・骨転移、再婚
経過観察から15年。52歳を迎えた2014年、再発し骨に転移していたことが分かった。11年ごろから背中の左側にときどき激痛を感じていた小笠原さんは13年、リウマチ性多発筋痛症に罹患。14年2月、背中の激痛で緊急入院、精密検査を受け翌月に乳がんの再発と骨転移を告知されたのだ。
再発の原因を自問自答したという小笠原さん、やがて「もしかしたら、自分は間違った生き方をしているのかもしれない」と思うようになった。
乳がんと闘いながら仕事中心の生活をやめなかったことで、当時の夫とはすれ違いが生じ離婚。その2年後の骨転移と同時に現れたのが現在の夫だった。病院の面会室で1日5時間も話をしてくれる彼と濃密な3カ月を過ごし、「治療しながら、残りの人生を私と一緒にのんびり楽しく過ごしませんか?」と背中を優しく押され、再婚を決意。そばにいるだけで安らぎ、素直になれるという最高の伴侶を得、人生初のスローライフが始まった。現在は自宅でアロマテラピーのクラスを開き、「がんとの共存」と「アロマライフ」を組み合わせた講演活動とEメールでの指導、遠隔アチューメントでのレイキ、フルボ酸ミネラル摂取についての指導を行っている。
母の呪縛からの解放
「50歳も過ぎた今、振り返ってみると、とても厳しい家庭だったと思う」と小笠原さん。母親からは、「自分のことは自分でしなさい。社会に何かを還元できる人間になりなさい」と言われて育った。完璧を求める母に生真面目に応え、母が喜ぶように生きなければと努力してきた。しかし3年前の再発をきっかけに母との関係も見直すようになった。とりわけ、こうでなくてはいけないという四角四面の考え方が、心と体を蝕んでいたと気づかされた。
母から距離を置くことを決めた小笠原さん。そうすることで、生活の一部始終において縛られていた状態から解放され、生活に初めて自由がもたらされた。「母の呪縛から解放されて本当の自分を見つけることができました。眠りたいなら心ゆくまで寝ていればいい。自分の体が第一。そんな風に思えるようになりました」

「8月、10年来の憧れの地だった久高島に娘と2人で旅行。沖縄本島の東南、南城市に含まれる同島は『神が降臨した』との伝説もあります。浜辺で瞑想して、レイキエネルギーを(体全体に)通しました」と小笠原さん
頑張りすぎない。休む!
小笠原さんが講演会などで必ず伝えるメッセージがある。それは、「自分らしく生きる」こと。「自分らしく生きるとは自分に嘘をつかないということ。私も含めて、みんな真面目すぎる。余裕がなく融通が効かない人間が自分らしさを失いがちになり、ストレスがたまり病気を誘発するのだと思う」と分析する。頑張るのもいいけれど、頑張りすぎないことも大切。休む=怠惰…などと自分を責めずに、休む勇気を持ってほしいと小笠原さんは言う。
今、心身共に安らげると楽しんでいるのがバスタイム。秋田県の玉川温泉の石がたっぷり入ったヒノキの箱を浴槽に入れて、そのお湯に10分以上浸かるというもの。また、精油を垂らしたお湯に浸かると、たった5分でも温熱効果が得られるとの研究結果も出ているそうだ。
「大切なのは、ちまたにあふれる情報に惑わされず、自分でとことん調べて、選択してがんを予防する、またはがんと共存すること。遺伝的にがんにかかりやすい人もいますが、高血圧や糖尿病などと同じ生活習慣病です。だから、がんになる前の生活と全く反対の生活をしてみるのも一案。がんになる前の自分の思考回路をもう一度見直しましょう」
追記
小笠原さんは10カ月間に及ぶ集中治療を終了。先日受けた血液検査では医師から「小康状態、現状は問題なし。海外旅行もOK」とお墨付きも出て、胸を弾ませている。
小笠原さんの元気の道しるべ
❶ 今やりたいことをし、行きたいところに行く
❷ ミネラルを摂る
❸ アロマテラピーと瞑想で心身を整える
取材・文/渡辺奈月 ヘルス&ウェルネス・コンシェルジュ。米国でファンクショナルメディスン(機能性医学)を学び、ヘルスリトリートにも多数参加。自らの体験も含め知見を深めながら健康や心のあり方に関する情報を発信し、子どもから高齢者まで健康指導も行う。ブログhttp://gogonatural.weebly.com
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