ファッションライターあやこんぶの“おしゃクロ!” Vol.42 ブロードウェーでChildren of a Lesser Godがスタート Start Listening. Stop Judging.

[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=rQ2rF5Wbd9w[/youtube]
11日に、ミュージカル「チルドレン・オブ・ア・レッサー・ゴッド」がブロードウェーのSTUDIO 54でオープニングを迎えました。これは1980年に初演され、トニー賞ベストプレイ賞を受賞した作品のリバイバル。
「キンキー・ブーツ」で日本人で初めてトニー賞を受賞した川名康浩さんがプロデューサー陣に名を連ねています。
ストーリーは、ある片田舎のろう学校に赴任してきた口語教師のジェームズと、その学校で掃除婦として働く先天性ろう者の女性サラが出会うことから始まります。ジェームズがサラに口語を教えようとするうちにふたりの距離は縮まり、やがて惹かれあっていきます。しかし、ふたりの愛が強くなればなるほど、健聴者とろう者の隔たりが生じ、手話や読唇術のコミュニケーションでフラストレーションが溜まってしまいます。ついに互いが感情的になってしまい、クライマックスを迎えます。



photo: Matthew Murphy
最も伝えたかったメッセージは「他人に耳を傾けること、ジャッジするのをやめること(Start Listening, Stop Judging.)」と川名さんは言います。この作品の素晴らしいところは手話が分からずとも巧みな台詞まわしと演技で自然と内容が理解できること。そして実際に耳の聞こえない方にも見てもらうために役者の話し言葉が字幕として電光掲示板に表示されます。主役のろう者サラを演じるローレン・リドロフは、黒人で初めてMiss Deafに輝いた女優で、先天的に耳が聞こえず、話すことが全くできません。言葉にならない彼女の心の叫びは、感動を誘います。そして、白人俳優であるジョシュア・ジャクソンをキャスティングし、異なる人種のカップルを描いたことも注目です。現代社会が直面する人種問題や、携帯電話やSNSが普及したなかで大きく変わってきたコミュニケーションの本来の形を深く考えさせられます。
カーテンコールの際には観客は立ち上がり、サインランゲージで拍手を意味する、「手を挙げて、手首をくるくると回転させるようにして手を振る」という、新たなスタンディングオベーションが見られるでしょう。心が通ったコミュニケーションはハッピーな気持ちを循環させるのだと実感する作品でした。



photo: Matthew Murphy

childrenofalessergodbroadway.com

フリー・ジャーナリスト
Aya Komboo
日本では数々の出版社で経験を積み、フリーランスへ転身。2006年よりロサンゼルスへ渡米し、現在はニューヨークを拠点にファッション/カルチャー誌などで活躍している。
www.ayakomboo.com
RECOMMENDED
-

客室乗務員が教える「本当に快適な座席」とは? プロが選ぶベストシートの理由
-

NYの「1日の生活費」が桁違い、普通に過ごして7万円…ローカル住人が検証
-

ベテラン客室乗務員が教える「機内での迷惑行為」、食事サービス中のヘッドホンにも注意?
-

パスポートは必ず手元に、飛行機の旅で「意外と多い落とし穴」をチェック
-

日本帰省マストバイ!NY在住者が選んだ「食品土産まとめ」、ご当地&調味料が人気
-

機内配布のブランケットは不衛生かも…キレイなものとの「見分け方」は? 客室乗務員はマイ毛布持参をおすすめ
-

白づくめの4000人がNYに集結、世界を席巻する「謎のピクニック」を知ってる?
-

長距離フライト、いつトイレに行くのがベスト? 客室乗務員がすすめる最適なタイミング
-

機内Wi-Fiが最も速い航空会社はどこ? 1位は「ハワイアン航空」、JALとANAは?
-

「安い日本」はもう終わり? 外国人観光客に迫る値上げラッシュ、テーマパークや富士山まで








