スタテン島で2014年7月、黒人男性のエリック・ガーナーさん=当時(43)=がニューヨーク市警察(NYPD)の白人警官に首を圧迫されて死亡した事件で、NYPDは16日、米司法省に対し、同省が8月31日までに事件に関与した警官2人の刑事処分について決定を下さない場合は、NYPDが先立って懲戒処分に向けた内部審理を始めるとの書簡を送った。ニューヨークタイムズなどが報じた。17日で事件発生から4年。

16日、記者会見する牧師で活動家のアル・シャプトンさん(中央)とガーナーさんの母親、グウェン・カーさん(右)。カーさんは「NYPDが捜査を迅速に行ってくれることを望んでいる」と述べた。写真はシャプトンさんのツイッター (@TheRevAI)より
「これ以上の遅れは正当化できない」 ガーナーさん事件でNYPD
【16日付ニューヨークタイムズ】NYPD法務局のローレンス・バーン副局長は書簡の中で「ニューヨーク市民、特にガーナーさんの家族が、事件に関与した警官の懲戒処分審理が進んでいないことにしびれを切らしているのは明白。連邦捜査の最終決定がないまま、事件からかなりの時間が経っていることを踏まえると、これ以上の遅れは正当化できない」と述べている。
懲戒処分を受ける可能性があるのは、ガーナーさんが「息ができない」と苦しむ中、首をしめ続けたとされるダニエル・パンタレオ巡査と、当時の現場最高監督者の1人、キジー・アドニス巡査部長。NYPD幹部によると同巡査部長は監督義務を怠ったとして既にNYPD内で過失が認められているが、連邦捜査の決定を待って処分保留となっているという。パンタレオ巡査の起訴については、スタテン島の大陪審は拒否している。
警察の不正を調べる外部監督機関、市民苦情審査委員会(CCRB)は昨年、パンタレオ巡査が事件当時、警察の方針で禁止されていた、背後から腕で首をしめる「チョークホールド」を行使したことを認め、同巡査に対し停職または懲戒解雇の勧告を出していた。
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