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ニューヨーク市警察(NYPD)が2日に発表した統計によると、今年1月から4月30日までにNYPDが認知した憎悪犯罪(ヘイトクライム)は145件で、昨年同時期に比べ67%増加した。各メディアが報じた。うち57%の82件は、スワスティカ(かぎ十字)の落書きなどの反ユダヤ主義のものであるという。
NYPDによると、ヘイトクライム関連で期間中、合計65件の容疑で逮捕。昨年同期の32件に比べて大幅増だ。今年の逮捕容疑の内訳は、殺人3件、悪質な嫌がらせ14件、暴行22件。ヘイトクライムは市内全域で発生しているが、大半はブルックリン区に集中しているという。
ニュージーランド(NZ)では3月、イスラム礼拝所(モスク)で銃乱射事件が起き、50人以上が死亡。4月下旬にはスリランカでキリスト教会などを狙った連続爆破テロ事件が起き、200人以上の犠牲者を出した。NZの事件への報復とみられている。カリフォルニア州サンディエゴのユダヤ礼拝所(シナゴーグ)でも4月末、男が銃を乱射。男はNZでの事件に触発されたとの報道もある。ニューヨーク市でも4月下旬、マンハッタン区の聖パトリック大聖堂にガソリン缶を持ち込もうとした男を逮捕。ビル・デブラシオ市長はこの日の会見で「タブーとされてきた反ユダヤ主義が米国で解き放たれつつある」と懸念を示した。
全体では、市内の犯罪認知件数は昨年同期比で6.7%下落した。ただし、今年初めに多発した殺人は微増。昨年同期の86件に比べて今年は88件を認知した。

会見するデブラシオ市長(中央)ら(photo: Ed Reed/Mayoral Photography Office)
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