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ニューヨーク市は3日、急増する憎悪犯罪(ヘイトクライム)に対応するため、ヘイトクライム抑止に特化した対策室を設立した。ウォール・ストリート・ジャーナルが同日、報じた。レイバーデーの週末にはクイーンズ区ロッカウェービーチで、2件のヘイトクライムが確認されている。
同紙によると、対策室では報告された被害や苦情への直接的な対応は行わず、教育機関や地域への働きかけにより、ヘイトクライムの抑止に重点を置く。室長を務めるのは名誉毀損防止組合の元幹部でユダヤ人のデボラ・ラウター氏。3日の就任発表会見で、自身もヘイトクライムの被害を受けた経験を明かした。1990年代、(ユダヤ教徒が忌避する)甲殻類や豚肉を自宅の郵便受けに入れられたという。ラウター氏は「自分が標的になって初めて、ヘイトクライムがどれほどアイデンティティーを脅かし、恐怖を高めるものか気付いた」と話した。
同紙によると、今年に入ってから今月1日まで、市警察(NYPD)が受けたヘイトクライムに対する苦情は290件。昨年同時期の205件からおよそ41%増えた。うち152件がユダヤ人を標的としたもの。昨年同時期には93件がユダヤ人に対するものだった。
クイーンズ区ブリージーポイントにあるシルバー・ガル・ビーチ・クラブでは8月30日、ナチスのシンボルであるスワスティカ(かぎ十字)の落書きが見つかった。今月2日には、約6キロ離れたベルハーバーでも、砂に書かれた同様の落書きが見つかった。
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