「性的暴行への理解深まった」 ワインスタイン有罪判決、専門家の声

 ハーベイ・ワインスタイン被告(67)の有罪評決について、ウォール・ストリート・ジャーナルは25日、性的暴行の本質に対する理解の進化が反映され、女性が法廷や職場で性的不正行為に対して立ち上がる道を開いたとする法律専門家や女性の権利擁護者の意見を報じた。
ワインスタイン被告に対する告発が、#MeToo(私も)運動に火をつけた時点では、専門家や告発者のほぼ全員が、性的暴行に対する社会的認識が同被告を有罪にするほど変わるとは確信していなかったという。裁判では事件が起きてから長い年月が経過していることや物的証拠がないこと、被害者が事件後も被告との親密な関係を続けていたことなど、過去に性的暴行事件が不起訴に終わった要因を含んでいた。アメリカ大学の法学部教授、ブレンダ・V・スミスさんは判決を「職場でのセクハラと性的虐待の複雑さを人々が理解し始めている証拠」と話す。
 専門家はまた、同評決が、セクハラ関連事件を処理する雇用機会均等委員会(EEC)に、被害者が申し立てをする後押しになったと評価。また、これまでメディアへの被害告発や性的暴行事件を提訴する際に足かせとなっていた秘密保持契約と出訴期限に関する規則を変えるよう政治家に圧力をかけることもできるのではないかと期待している。
 女性をテーマにした映画製作会社の会長、エイミー・バーさんは、「加害者は法的拘束力のある先例ができたことを理解すべき」と警告した。