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ニューヨーク州内では、公共交通機関内でのマスク着用が義務付けられている。ところがマスク着用を拒む乗客がおり、注意した職員に危害を加える事件がこれまでに市内で177件も発生した。その95%はバス内だ。ニューヨークタイムズが18日、報じた。
7月末、ブルックリン区イーストニューヨークで最終バスを運転していたアンソニー・リードさん(62)は、マスクをしていない乗客を呼んで注意した。その後の記憶がない。目を覚ましたのは救急車の中。 左目は腫れ、口の中には血の味がした。「静かに諭したのに、ノックアウトを食らった」。今も目の腫れが引いていない。同様の被害にあった運転手は十数人。口汚くののしられる、睨みつけられるなどのハラスメントを受けた運転手もいる。
ニューヨーク州都市交通局(MTA)はバスの中でマスクを無料配布するパイロットプログラムを開始。8月からは160人の交通警察官にパトロールをさせ、マスクを着用していない乗客に50ドル(約5200円)の罰金を課すなどして取り締まりを強化した。これにより、乗客の90%にマスク着用がみられたとの調査結果をまとめている。ただし、職員組合(TWU)は路線によっては、61%程度の人しか付けていないと反論。バス運転手の多くは「学校が再開して、利用客が増えたら、問題が深刻化するのでは」と憂慮している。

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