2020年10月22日 NEWS DAILY CONTENTS

暴行を受けたジャズピアニスト、海野雅威さん 「アジア系人は団結して行動を」

 27日午後7時20分頃、マンハッタン区西135丁目の地下鉄駅を出たところで8人の若者グループから暴行を受けたジャズピアニスト、海野雅威さん(40)は現在、自宅療養中だ。右鎖骨を折られ、腕も負傷。手術後も右手は使えず、元のようにピアノを弾けるかは不明だ。ニューヨークタイムズが22日、報じた。
ジャズピアノを始めたのは9歳の時。18歳の時には、日本でプロとしてデビューしていた。「ジャズの本場の文化を知らなければ」と妻のさやかさんと渡米したのは2008年。ハーレムに住み着き、トランペットの大御所、故ロイ・ハーグローブさんと共演するまでに。今年6月には息子も生まれた。事故後、親友が始めた資金調達サイト「ゴー・ファンド・ミ―」には現在16万5000ドル(約1730万円)が集まっている。
 暴行を受けた時、「中国人」とののしられた。それを知った多数の日系人から差別体験をつづったメッセージが届き「私の痛みは彼らの痛みだ」。ただ、警察は人種差別が動機ではないとして、ヘイトクライムとして処理しておらず、逮捕者はまだ出ていない。「妻も私も、ここで子どもを育てるのは不安。特にあんなことがあった後では」と打ち明ける海野さん。「アジア系人には『ブラック・ライブズ・マタ―(BLM)』のような運動がない。我々も団結して行動を起こすべきだ」と話している。

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