“カフェインフリーのエナジー”で新たな市場を切り開く

 

“カフェインフリーのエナジー”で
新たな市場を切り開く

 

2022年、新商品の「fantasy mix」が全米CVSで発売されたキャンディ新商品部門売上1位を獲得し、今年8月には、日本に「逆輸入」したことで話題になった「HI-CHEW」シリーズ。同商品を販売する森永製菓グループは、2022年より、HI-CHEWに続く米市場第2の柱としてゼリー飲料「Chargel」を展開している。米国で新たな市場を開拓するChargelの展望を聞いた。

 

Q. Chargelは、御社が「2030年にウェルネスカンパニーに生まれ変わるとともに、アメリカを重点領域とされ、HI-CHEWに続くアメリカでの第2の柱として育成される」、という非常に強い意気込みで投入されました。Chargelの発売から約1年半が経ちましたが、感触はいかがですか?

ありがとうございます。立ち上げ以降これまで、弊社のアメリカ拠点のあるカリフォルニア中心に西海岸で主に活動をおこなってきました。自転車競技、長距離走やトライアスロンのトップアスリートの方々に“Chargel Ambassadors”になっていただいたり、UCLAなど学生スポーツの協賛をさせていただいたり、またまたスポーツイベントでのサンプリングやSNSを通じてChargelを体験していただくことなどを通じて、Chargelの認知度を高める活動を展開してきました。また今年7月には、サンフランシスコ・マラソンにオフィシャル・エナジージェルとしても参加しました。

おかげさまで、アメリカでの認知度もだいぶ向上し、SNSフォロワー数などは順調に伸びて来ています。また今月9月には、GQマガジンのFitness Awardsにおいて、“The Best Energy Gel”という賞もいただきました。

 

Q. HI-CHEWとは異なり、新しいブランドでの市場参入です。名称はどのように決められましたか?

日本でゼリー飲料は年間販売金額900億円を超える市場規模があり一つの食品カテゴリーとして定着していますが、アメリカにおいてはほとんどの人が体験したことのない新しいタイプの食品であると考えています。したがって市場参入にあたり、どのようなプロダクトであるかが伝わりやすく印象に残りやすい名称を検討しました。

日本語のゼリーを英語にしようとすると“jelly”という単語が思い浮かびますが、“jelly”にはジャムやお菓子のようなイメージが強く最適ではないこと、一方でアメリカではスポーツ選手に利用される半液体状のサプリメントが“gel”と呼ばれていることが調査で分かりました。ゼリー飲料はアスリートの運動時の栄養補給のために開発された歴史があるため、栄養補給することを表す“charge”と“gel”を組み合わせた「Chargel」というブランドで展開していくことを決めました。Chargelはサプリメントの“gel”とも異なる、“gel drink”という新しい食品カテゴリーの定着を目指しています。

 

Q. アメリカ進出にあたって、味などの品質はどのように開発されましたか?

まずアメリカの食品衛生法や市場ニーズに沿った原料を使用してレシピを新開発する必要がありました。プロトタイプを作り現地の嗜好に合うか調査で確認を行いましたが、弊社がこれまで培ってきた技術や知見をもとにした食感や風味のバランスはアメリカのお客様にも好評でした。

フレーバー(味の種類)については調査を踏まえて選定しています。Chargelでは現在 White Grape(白ぶどう)、Apple(りんご)、Strawberry(いちご)の3種類を発売しています。白ぶどうは日本市場で最も人気のある味で、りんごといちごはアメリカ向けに新開発された味です。現地向けに作り直していますが、アメリカでも白ぶどうが3種の中で一番の売れ筋になっているのが興味深いところです。

 

Q. Chargelは、他のエナジードリンクと比べて、カフェイン・フリーというのもいいですよね? 特に、最近SNSで子供による高カフェイン飲料の利用が問題になったりしていましたので。

エナジードリンクというカテゴリーは、カフェインによる覚醒作用を“エナジー”とする場合が多いのですが、我々としては、高齢者から子供さんまで皆さんに安心して利用していたける商品を目指しており、エナジードリンクとは異なる“エナジー”を提供するためカフェインは入れていません。体を動かすために必須の“エナジー”を美味しく補給できることを特徴にしています。

糖分量も自然の食品に近くバナナ一本程度(1袋あたり18g)ですし、グルテンの他、主要9つのアレルギーの原因となる成分を使用していませんので、健康を気にされる方、アレルギーをお持ちの方など、一人でも多くの方にご利用いただけることを願っています。

この秋には、フレーバー原料も自然由来のものに変更しましたので、よりリフレッシュしたバランスのよい美味しさを味わっていただけると思います。さらに、Chargelはゼリー状であるため固形の食品に比べて消化されやすいですし、一度開封しても再度閉められる容器になっていますので、運動中などに少しずつ飲んでいただくことも可能です。

 

Q. 最後に、2030年にむけて、アメリカの日常生活のなかで、Chargelがどのようになっていたいとお考えですか?そのために、今後どのような活動により一層力を入れていかれたいですか?

アメリカ進出にあたっては、市場の主流である缶のエナジードリンクともエナジーバーとも違う新しいタイプの食品であり、そして新しいコンセプト(カフェインフリーのエナジー)でもあるため、店頭で定位置となる場所はなく、当初はなかなか小売業の方に説明するのが難しかったということはありました。ただ、徐々に理解を得られてきており、現在では、弊社ウェブサイトやAmazonなどのオンラインはもちろん、カリフォルニアでは、スポーツ専門店だけではない小売店でもご購入いただけるようになっており、お店の方々にもChargelの良さを実感いただけるようになってきています。

東海岸でも、現状では日系スーパーなどでご購入いただけますが、今後は、より一層ニューヨークやボストンなどでの活動を増やしながら、より多くの拠点でご購入いただけるようにできればと思っています。

将来的には、コンビニやスーパーなどで幅広く品ぞろえされ、アスリートだけでなく、高齢者から子供さんまで、色々な方が様々な場面で気軽に活用いただけるようになれるといいですね。

最後に、今年12月には、ホノルル・マラソンに協賛させていただく予定ですので、ぜひ新しくなったChargelで、皆さんの記録更新を応援させていただければと思います。

 

Chargel
https://chargel.com/

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