北東北ぬくもりの会を目指して
ニューヨーク青森県人会

ニューヨーク青森県人会の正式な発足年は定かではないのですが、みちのく銀行ニューヨーク駐在員事務所があった1990〜1999年頃が最も活動が盛んであったと聞いています。私が同会と関わりを持つようになったのは2009年、拙作のCD発売記念コンサートの後援をいただいたのがきっかけでした。これを境に、当時の村井紀雄会長から松浦玲子前県人会会長へとバトンが引き継がれ、ニューヨーク青森県人会は様々なイベントを企画開催していくことになります。
2012年から毎年催された「Discover Aomori」では、青森の食の紹介とともに、在米青森県人ならびに同県にゆかりのある音楽家や美術家を紹介してまいりました。2017年の「いいもの展」では、青森の伝統工芸である「こぎん刺し」作家の招聘、津軽塗り民芸品の展示即売、県内企業の物産紹介を通して、積極的に青森をPRするイベントを開きました。パンデミック直前の2019年10月には、カーネギーホールでのコンサートを実現した弘前市在住の津軽笛奏者、佐藤ぶん太氏をお迎えして、ミッドタウンにてコンサートを開催しました。このようにイベントの企画開催に取り組んで10年以上経ちますが、同県人会は一貫して、青森の「食」「人」「文化」の3つをコミュニティに紹介し伝えることを目的として、多くのボランティアのサポートに助けられながら今日まで活動を続けています。最近では、こうした継続的な活動が認められたことで青森県庁との連携も強化され、青森の魅力を世界に広く紹介する活動のお手伝いをしています。
人々が流動的なニューヨークにおいて、同郷ゆかりの人を集めるのは決して簡単なことではありませんが、現在約30名ほどの会員がおり、音楽家や美術家、料理人と個性豊かなメンバーが揃っています。毎年開催される交流会では、県出身者と同県ゆかりの方々をお迎えして、郷土料理をベースにしたお食事と音楽を楽しんでいただくのですが、参加者からは、北東北らしい穏やかでゆったりとした時間の流れる空間に、ニューヨークの喧騒から離れたような心安らぐひとときを過ごせると好評をいただいています。
また、東北6県と北海道合同の「ほくほく会」、全国規模の「合同県人会」についても、これからの日系コミュニティの絆を深めていくのにとても重要なことと理解し、積極的に参加して意見交換や交流の機会を持つようにしています。(ニューヨーク青森県人会 会長 金澤恵之)

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