台湾の人気点心料理店「鼎泰豊(ディンタイフォン)」と、間もなく映画版の公開を控えるブロードウェイミュージカル「ウィキッド(Wicked)」がコラボ。世界的名店×ブロードウェイの名作の異彩のタッグは、どのようにして実現したのか? そして気になる「グリーンメニュー」の正体は?

◆「ウィキッド」に染まるニューヨークの街
11月22日には初の映画化、そして2024年で生誕21周年を迎える「ウィキッド」。同作の新たなスタートを祝うべく今ニューヨークの街はエルファバグリーンに包まれており、「The Plaza Hotel」にはアフタヌーンティー、書店「Burns & Nobel」に行くと専用コーナーが設けられていたり、SOHOの靴屋「ALDO」のショーケースには魔女になれそうな靴が並んでいる。また化粧品を買おうと「Ulta Beauty」に入ると、エメラルシティが広がっていたりする。


そんななか、小籠包で有名な「鼎泰豊(ディンタイフォン)」のニューヨーク店もコラボを発表。オープンして4カ月が経った今でも予約が取れないといわれる同店が「ウィキッド」に染まるということで、インスタグラムで告知された際は「必ず行く」「シアトルでも食べたい」「LAにも持ってきて」とエリア外の人からのコメントも相次ぎ、「緑の服来て行く準備はできてる」とファンを喜ばせた。

◆ メニューの詳細は?「魔法のカクテル」が必見
11月30日までは、既存のメニューの中でもグリーンに身を包んだ「ビーガン餃子」や「ビーガンヌードル」にスポットが当たるほか、限定のオリジナルカクテル「Elphaba’s Elixir」が登場。

運ばれてきた瞬間から「One Short Day」(2人の魔女が新たな扉を開くシーンで使われる代表的な曲)が頭に流れるほどの煌びやかさ。柚子やライムの柑橘系の酸味が効いたサクッと飲めてしまうウィスキーサワーに、食用のキラキラ粉が散りばめられており、観劇前の1杯にぴったりな仕上がりとなっている。
◆「ブロードウェイに飛び込むのが1番」
ちなみに同店は、「ウィキッド」の劇場の横に位置しており、そんなロケーションが今回のコラボの鍵になったんだとか。担当者は「地元コミュニティにどっぷり浸かり、盛り上げることはとても大切で、そのためにはブロードウェイシーンに飛び込むのが1番だと考えました。そして実は鼎泰豊の料理理念には芸術性と演劇性があり、それをお見せできる場所としてガラス張りのキッチンを設置しています。このコラボはアートをお祝いする一環でもあるんです」と、経緯について語る。

ニューヨーク・ブロードウェイの地だからこそ実現した今回のコラボ。劇場だけでなく、街角でもエンタメに触れられるのはこの街ならではの醍醐味だろう。
取材・文・写真/ナガタミユ
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