メトロカードを廃止して、OMNYに完全移行するニューヨーク州都市交通局(MTA)。来年から地下鉄車両の切り替えも開始する予定だ。黄色とオレンジ色のプラスチック製シートが特徴の R62型 や R68型 に代わり、川崎重工グループのアメリカ現地法人、川崎車両が製造した R211 型を導入する。シークレットNYCが16日、伝えた。

(photo: EmperorOfNYC, A relatively brand new R211A subway car on the A line, awaiting departure from Inwood-207th Street.)
R62 は1984年から使用を開始。主に地下鉄1、3、6番線を走る。B、D、N、W路線で使われている R68 の導入も1986年と、40年近くが経っている。新しい車両に比べて故障も6倍多い。安全でスムーズな地下鉄運行のために設置された新しい信号システムにも対応できない。
MTAの会長兼CEOのジャノ・リーバー氏は「過去40年間、ニューヨーク市の公共交通機関として大役を果たしてきたが、退任して新しい世代の車両に道をゆずる時が来た」と話す。R211 は2023年3月に導入が始まり、故障が少なく、アクセスも乗り心地も良いと好評だ。
MTAでは109億ドルの予算を確保。全車両数の約22%に当たる2000台を29年までに切り替えていく。1500台は「ドアが広く、照明も明るく、デジタル表示器や防犯カメラが多い」。しかも新しい信号システムにも対応できる。
この109億ドルにはメトロノース鉄道やロングアイランド鉄道(LIRR)のアップグレードも含まれる。現在利用されている M3車両は1980年代に導入されたもの。これを、障がいをもつ利用者がアクセス可能で、シートも広く、電源コンセントも備えた新型車両に切り替える予定だ。
予算は今年9月25日に、MTAの理事会で承認されている。ただ、州議会のお墨付きを得る必要がある。州議会は年末年始の休みに入っており、再開するのは来年1月になる。

(photo: EmperorOfNYC, A relatively brand new R211A subway car on the A line, the first set in service with overhead ad screens that every R211A was built with up until the 14th set returned to paper ads.)
編集部のつぶやき 「ここにも日本の技術が」
川崎車両が製造・納入した車両には、「Kawasaki」の文字が入っていて、それを見るたび、とても誇らしい気持ちになります。「ここにも日本の技術が生きているんですね」(AK)
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