トランプ大統領がカナダ併合を主張したり、相互関税を課したりしていることから、カナダや欧州の観光客がそっぽをむき始めた。ニューヨーク市では、観光業界関係者の間に懸念が深まっている。4日、ゴッサミストが伝えた

「インバウンドは30〜60%も減っている」と語るのはマット・レビー氏。クイーンズ本拠のツアー会社「Spread Love Tours」のオーナーだ。カナダ関連の売り上げは昨年、3万5000ドル。今年はせいぜい5000ドルと予想する。
ニューヨーク市を訪れた外国人は昨年、1300万人。米国内で最も人気のある観光スポットだった。カナダからも英国に次いで多い、100万人が来訪した。ところが、カナダ航空によると4月〜11月の米国便の予約は、昨年同時期より10%減少。カナダ統計局によると、車による米国への入国も今年2月、昨年同月より23%減っている。
英国、ドイツ、デンマークなどは、米国入国に注意を喚起。欧州からの旅行客も二の足を踏む。その結果、海外からの訪米者は2月、昨年同月より2.4%のマイナスだった。市観光局(NYC Tourism +Conventions)のジュリー・コッカーCEOは「地政学的な変化から困難な状態にあるが、他所では得ることのできない体験を提供していく」としている。
今のところ、タイムズスクエアやブルックリン橋は賑わっている。ブロードウェーのショーも大入りだ。しかし、「Real New York Tours」の共同オーナー、ルーク・ミラー氏は「すでにカナダから、バス20台分、1000人以上の予約取り消しが入っている。これから夏にかけて、人出が減ってくる」と警鐘を鳴らす。この道18年のベテランは「意見の違いを乗り越え、語らいながら、市内の観光を楽しんでもらえるのに」とため息交じりに話している。
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