フランシスコ教皇の死去にちなんで、22日付のニューヨークタイムズは、10年前の同教皇のニューヨーク訪問を振り返った。

フランシスコ教皇はアメリカ訪問の一環として2015年9月24、25日、ニューヨークを訪問した。国連総会で演説し、国立9・11記念館で多宗教の祈祷式に出席した。イーストハーレムのカトリック学校を訪問し、マディソン・スクエア・ガーデン(MSG)でミサを行った。また、セントラルパークをポップモービルでパレードし、8万人のチケット保持者が沿道を埋め尽くした。
神学生だったラルフ・エデル神父は、MSGでのミサに参加した。「聖体拝領の後までMSGがこんなに静かだとは知らなかった。その瞬間、教皇はMSGを私が訪れた中で最も聖なる場所の一つに変えたのです」。ニューヨークのローマ・カトリック大司教ティモシー・ドラン枢機卿は教皇逝去の報に触れたとき、MSGでのメッセージを思い出したという。「教皇はMSGでの礼拝者たちに『神は私たちの都市に生きている』と語りかけました。大都市では、騒音や変化の速さにより多くの顔が無視されていく。彼らは外国人、学校に通えない子どもたち、医療保険のない人々、ホームレス、忘れ去られた高齢者だ。これらの人々は大通りの端や街角に、耳を聾するほどの匿名性の中に立っている」と。
イーストハーレムの聖母マリア・クイーン・オブ・エンジェルズ校を訪問した際には空に虹が現れ、子どもたちは驚嘆していたという。当時のスタッフ、ジル・カフカさんは「教皇はマーティン・ルーサー・キングJr.牧師について語り、夢を追求することの大切さ、子どもたちが優れた教育を受ける夢、そしてその夢のために戦わなければならないことを力説しました」と振り返る。
聖パトリック大聖堂で行われた祈祷会には約2500人の聖職者が招待された。神学生だったホセ・ディアス神父は、教皇が祈祷会中に着用し、各祈祷のたびに外す象徴的な帽子ミトラを運ぶ役目を担っていた。「家族が私を教皇の近くで見かけたことで、私の召命が正当化された。『ああ、ホセは神父になるんだ』とね」。10年後、彼はクイーンズ・フラッシングのローマ・カトリック教会、マリアの降誕と聖アン教会の主任司祭になっている。
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