ニューヨーク州のホークル知事は28日、ニューヨーク州都市交通局(MTA)の無賃乗車対策の一環として「15秒遅れてドアが開く非常口」を地下鉄駅構内150カ所以上に設置すると発表した。amニューヨークが同日、報じた。

駅から出る人が非常口を開けた隙を狙って、駅構内に滑り込むというのが無賃乗車の手法の一つ。その素早い動きは「スーパーハイウェー」とも呼ばれる。今回設置するシステムは、非常口を開けようとすると15秒間待たされる。その間、警報が鳴り、滑り込もうとする不心得者の出鼻をくじくという仕組みだ。
市内の地下鉄駅は472。MTAは既に70カ所以上にこの新しい非常口を設置している。そのかいあってか、2024年第2四半期から2025年第1四半期にかけて無賃乗車は30%も減少した。運賃はMTAの収入源の40%を占めており、無賃乗車撲滅が健全な財政の鍵となる。利用者も増加傾向にあり、24年の運賃収入は50億ドル。23年から3億2200万ドル増加した。
「総合的な無賃乗車対策は効果を生んでいる」とホークル氏はコメント。「取り締まり強化や新しいシステム導入を含め、今後も無賃乗車対策に注力していく」と続けた。
MTAによると、プラスチック板を取り付けることで回転扉を飛び越える手法の無賃乗車が60%も減少。23年には抜本的な回転扉のデザイン見直しを発表。現在4つの業者から提案を受けており、この秋から選定プロセスに入る。具体的には、42丁目・ポートオーソリティー、14丁目・ユニオンスクエアなど利用客の多い駅に1業者から新しい回転扉5基、合計20基を設置して、効果を判定する計画だ。
MTAのリーバーCEOは「これまでにも努力が実を結んでいる。今後は新しい回転扉を導入し、さらに大きな実がなるようにしていきたい」と話している。
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