ニューヨーク州都市交通局(MTA)が警備を委託しているアライド・ユニバーサル・セキュリティー・サービシーズ(Allied Universal Security Services)の警備員が地下鉄の無賃乗車を手助けしているとして物議を醸している。こうした警備員の時給が100ドルと聞いて、市民からは非難轟々。NYポストが18日、伝えた。

例えば、西34丁目のヘラルドスクエア駅。警備員が非常用出入り口を開放し、その間に何人もが構内に入り込むというケースが複数回目撃されている。警備員の1人、ロムアルド・ザンポウさんは「携帯が故障した」「カードに残金がない」「カードが使えない」「係員がここから入れると言った」などの口実を聞くという。「『警官じゃないだろう』と言われれば、入ってくるのを止められない」と釈明する。
MTAがアライドに警備を委託し始めたのは2022年。無賃乗車の取り締まりが主な任務で、警備員として現在、1000人が配備されている。委託料はこれまでに3500万ドル。警備員の時給は銃携帯者で100ドル、その他は25ドルだ。
西96丁目の地下鉄駅では銃を携帯した同社の警備員2人が、シフト開始直後の1時間余り、外でタバコを吸ったり、コーヒーを買いに行ったりして過ごしていた。勤務時間内に車の中で寝たり、近くのダイナーで食事を取ったりしているとの内部情報もある。「MTAも状況を把握しているが、支払いを続けている」という。市民からは「役に立たない警備会社との契約は解除すべきだ」「MTAの幹部が賄賂を得ているのでは」といった批判の声が上がっている。
州議会と市議会はこれまで、MTAが200億ドルもの巨額の予算を不適切に管理しているとたびたび非難。その一例として、MTAが日常的に無賃乗車をする人の心理を理解するための調査に100万ドルの連邦助成金を費やしたことを挙げている。無賃乗車でMTAが被る損害は年間8億ドル。MTAの報道官は「誰であろうと、無銭乗車を助長するのは違法であり、運賃を払う利用者に不公平」と指摘するにとどまる。アライドはコメントの求めに応じていない。
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