皆さん、一週間お疲れさまでした。今週もいろんなニュースがありましたね。金曜の「NYでアマチュア相撲が大盛況 「気合い」ベースで選手100人」というニュースが、おもしろかったです。
日本での大相撲も、昨年全6場所90日間のチケットが完売するなど、1996年の若貴ブーム以来の盛況を見せたようですが、本場所の観客4人に一人以上は外国人とのことで、メジャーリーグにおける大谷翔平選手の状況と比較すると、今後の“相撲産業”のグローバル化に繋がるのではと思ったからです。
まず、ロサンジェルス・ドジャースにおいて、大谷翔平選手移籍1年目の昨年の平均観客数は5万人弱で、メジャーリーグ全体でも最多で、球団としても過去2番目に高い記録でした。ちなみに、大谷選手がいなかかった一昨年より一試合平均4%増えていますし、ロサンゼルス観光局によれば、昨年は日本からの訪問者数が前年同期比でほぼ倍増し、そのうち80%がドジャー・スタジアムを訪れたそうですので、日本人が観客動員数に相当影響を及ぼしていたとみられます。もちろん試合観戦者数で言うと、テレビ視聴者(オンライン視聴者?)の圧倒的に多いわけですが、メジャーリーグの場合およそ1試合平均145万人(2023年)に対し、日本で大谷選手の試合視聴者数はその数倍と言われており、影響の大きさが感じられます。
このような日本(=国内市場以外)の影響(=ビジネスチャンス)の大きさをメジャーリーグは相当意識しており、今年のMLBのコマーシャルを含めた宣伝用ビデオは、「ONE PIECE」と「鋼の錬金術師」のアニメーターと組み、アニメ風になっています。しかもタイトルの「Heroes of the Game」には、日本語で「ゲームの英雄」と字幕を入れて。(メジャーリーグの東京シリーズでは、「鬼滅の刃」との協業のビデオも作っていますしね。)
このMLBにおける大谷選手だけでなく、サッカーのLionel Messiもそうで、アメリカのスポーツ・ビジネスにおいては、事業成長のために、国内はもちろん(女子バスケがそうですね)、アメリカ以外からも幅広く“売れるモノ”を取り入れているように思います。
そういう意味では、日本としては、戦後第1次、第2次産業の「追いつき、追い越せ」(”Kaizen”)モデルでうまく成長してきたので、これを第3次産業にも取り入れればいいのだと思います。その点、大相撲は、「差別化しやすく」(=他にない)、「わかりやすい」(=言語の壁が低い)という点でも極めて魅力的なコンテンツだと思います。
また、本文に『大相撲に習って、土俵作法を実施。礼儀正しさを重んじる。勝ってもガッツポーズを決めたりしない。』とあるように、実際のスポーツ事業の側面に加えて、日本の文化普及(=日本ファンを増やす)の側面でも魅力的なコンテンツであると思います。
日本には、相撲以外にも、既にオリンピック種目になっている柔道をはじめ、空手(道場もNYには結構あります)、剣道(韓国コミュニティで、そもそも人気ですしね)などもあり、日本スポーツ・武術は、非常に可能性があるように思います。また、これらの日本のスポーツ・武術に興味をもたれている方々は、その背景にある文化的・精神的側面(=物事の考え方、日本的Value)にも興味をもたれている方が多いですしね。世界中で、メンタルヘルスが大きな課題となっている昨今、スポーツにおける精神的側面を深く取り入れてきた(よくも悪くも)という点においても、この分野は日本にとって非常におもしろい“産業・文化”なのではないでしょうか。ポイントは、“新たな顧客(日本ではなく、海外)にとって、魅力的なコンテンツ、伝え方ができるか?”という視点にたてるかだと思うので、勝手に海外で盛り上がってくれる活動をもっとサポートできるとおもしろいと思います。
アニメのソフトパワーもいいですが、次は実際のアニメのスーパーヒーローのように、スポーツ・武術を通じた“強い日本・日本人”(ハードパワー?)ですかね?ではよい週末をお過ごしください。
代表 武田 秀俊
今週の1枚

韓国のテコンドーは、こちらの子どもたちの習い事の一つとして、すっかり定着していますよね。
トロフィーや賞状もいっぱいもらえるし。ビジネスとしても、しっかりしています。
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