NY地下鉄で “過剰請求” が発生、OMNYシステムのアップグレードで「7回分請求された」例も

ニューヨーク州都市交通局（MTA）の非接触型決算システムOMNYの利用者が、地下鉄やバスを1回しか利用していないのに複数回分の料金を徴収される問題が発生した。システムのアップグレードに伴う不具合が原因のようだ。ゴッサミストが10日、伝えた。

「地下鉄を1回利用しただけなのに、銀行口座から4回分引き落とされている。困惑している。どうしてこうなるのか説明してほしい」。こんな投稿が掲示板型SNSに見られる。「1回利用しただけなのに、7回分請求された」「3回乗っただけなのに、13回分取られた」という書き込みもある。

MTAのカスタマーサービスに電話すると、事前に録音された「複数回分または複数日分の料金を徴収されたかもしれない。心配無用。過剰請求されることはない」というメッセージが流れる。多数のOMNY利用者が影響を受けていることがうかがえる。そのまま20分ほど待ってみたが、電話は切れてしまった。

広報担当への照会に対しては、ホームページを参照するようにとの回答が届いた。そこには「Visaを利用している場合、数回分の決済承認が試行された可能性がある。ただし、実際の決済は、利用回数分だけ行われる」との説明がある。MTAはメトロカードの段階的使用停止を計画しており、そのためのシステムのアップグレードを実施している。今回のOMNYの不具合はそれに伴うもののようだ。MTAのオペレーション担当副チーフ、ジェシー・ラザラスさんによると、5月15日に見つかり、29日には解決したという。

OMNYは昨年夏にもシステム不具合を起こした。利用ができなくなり、後日払い戻している。さらにバス内のOMNY読み取り器が落下する問題も頻繁に生じている。